2016年「地域貢献大賞」受賞活動

福島民報の131販売所で構成する福島民報会は、2012年3月から地域を見守る「思いやり　ひと声運動」を展開している。独り暮らしの高齢者や、東日本大震災・原発事故の影響で家族と離れて暮らす人たちの安否情報を共有できるサービスで、配達や集金時に異変を感じた際は、家族やかかりつけの病院などの緊急連絡先に通報する。販売所のネットワークを生かした福島民報創刊120周年地域貢献事業の一環として始まった。

15年からは福島県内で多発している「なりすまし詐欺」の被害を防止するため、チラシを製作・配布し、注意を呼び掛ける活動にも取り組んでいる。福島県警本部と連携し、県内130販売所が住民の相談窓口になっているほか、販売所の入り口に「なりすまし詐欺防止ネットワーク」のミニ看板を設置している。

新聞の戸別配達網を通じて、地域住民に積極的に声を掛け続ける活動は、高齢者の一命を取り留め、詐欺被害を未然に防ぐといった大きな成果を挙げており、地域を見守る重要なライフラインとしての役割を担っている。

※代表＝福島民報会会長・三宅 喬

愛知県犬山市の尾張中日会犬山支部「新聞生かし隊」は、2011年６月から小学生向けに学習指導要領に対応した新聞の活用方法を紹介する出前授業を実施している。学校側からの要請に基づき、１年生から６年生までの各学年に合わせ、総合的な学習の時間、国語科、社会科の授業として、実際に新聞に触れ、新聞から学べる機会を提供している。６年目を迎える活動は、同じクラスに年間複数回の授業を実施することが可能であるなど、プログラムを充実させており、学校側の要望に合わせた対応ができる。

また、他地域への普及を目指し、中日新聞尾張青年会や出前授業に関心がある販売所長向けの講師育成プログラムを13年から実施している。稲沢市、あま市、春日井市、知多エリアなどでも出前授業が展開され、現在、愛知県内尾張エリア全域での授業が実施可能になった。16年度には岐阜県でも初めて実施され、活動は一層の広がりをみせている。

学校からは授業参観日での実施希望が多く、保護者に新聞の有用性を知ってもらう良い機会となっている。出前授業を実施した小学校ではNIE活動が活発になっている。

※代表＝尾張中日会犬山支部支部長・岩田 静夫