2017年「地域貢献大賞」受賞活動

新聞販売所とそのスタッフは、配達、集金、営業といった本来の業務のほかに、地域社会の一員として地域に根差したさまざまな活動を展開しています。日本新聞協会は、全国の新聞販売所や新聞販売同業者組合などが各地域で行っている地域貢献活動を顕彰する「地域貢献大賞」を2007年に創設しました。

毎年、最も顕著な功績のあった活動1件に「地域貢献大賞」、そのほかの優れた活動には「地域貢献賞」を授与しています。また、特筆すべき事績には「地域貢献特別賞」を授与することがあります。

2017年の地域貢献大賞には、東京電力福島第1原発事故の避難指示解除区域内で新聞配達を再開した新聞販売店9店の「戸別配達が帰還を後押し―震災原発事故を乗り越え業務再開」、地域貢献特別賞に三重県のASA尾鷲の吉田達所長の「漁船だより」、地域貢献賞に22件が選ばれました。

地域貢献大賞「戸別配達が帰還を後押し―震災原発事故を乗り越え業務再開」

原発事故避難指示解除区域の新聞販売店

  • 実施期間:2011年~
  • 実施地域:福島県浪江町、楢葉町、広野町、川内村、南相馬市小高区の一部、川俣町山木屋地区、飯舘村
  • 活動概要:



東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所の事故により、住民に避難指示が出された福島県相双地区(県東部の太平洋沿岸12市町村)を中心とした地域では、新聞配達の休止を余儀なくされた。避難指示は徐々に解除されてきたものの、帰還する住民は1割にも満たない地域もある。そんな中、「配達を通じて復興を後押ししたい」との思いから、2011年5月に川内村の松本新聞店が配達を始めた。これを皮切りに、順次6店が配達を再開し、17年3月の浪江町の避難解除に伴い、同町の2店も再出発した。

読者や折り込み広告の減少、配達員不足による戸別配達できないエリアの存在、放射線への不安―いくつもの困難を抱える中で、営業を再開した合売・各系統の販売店は所長をはじめ家族らが懸命に新聞を届け、戸別配達網を再構築している。生活基盤を支えるという使命感のもと奮闘するその姿に住民から感謝の声が上がっている。行政と連携して買い物代行や地域見守りサービスを担う店、新聞閲覧棚を町に寄贈した店もあり、地域再生に貢献している。

※原発事故避難指示解除区域の新聞販売店
 =福島県相双地区の避難指示解除区域を中心に17年6月までに新聞配達を再開した9販売店。

鈴木新聞舗(浪江町)、浪江新聞販売センター(同)、岡田新聞店(広野町)、脇沢新聞店(楢葉町)、竜田新聞販売センター(同)、松本新聞店(川内村)、吉田新聞店(南相馬市小高区)、藤原新聞店(同市原町区)、塩田新聞店(川俣町)

地域貢献特別賞「漁船だより」

ASA尾鷲 所長 吉田 達

  • 実施期間:1963年~
  • 実施地域:三重県尾鷲市、紀北町
  • 活動概要:

三重県尾鷲市のASA尾鷲・吉田達所長は1963年から、地元漁船の航行や操業などの情報を掲載した「漁船だより」を毎日発行し、朝刊に折り込み読者に届けている。たよりには、尾鷲魚市場で取り引きされる市況情報なども盛り込み、地元漁業関係者のニーズに応えている。

尾鷲市は浦々に天然の良港を持ち、九つの漁港を中心に古くから近海・遠洋・沿岸漁業が発展してきた。たよりは、先代所長が発案し、朝日新聞社からドイツ製輪転機を譲り受け、印刷・発行を始めた。自店だけでなく周辺4店でも折り込まれている。不配があるとすぐに店に電話がかかってくるほど生活に欠かせないメディアとなっており、半世紀以上の地道な活動により、販売所は漁業者とその家族、読者から確かな信頼を得ている。

地域貢献賞(22件)

古紙回収・リングプル回収を通じた地域貢献活動の実践 北海道新聞新道・厚地販売所 所長 厚地定明
地域住民への書籍貸し出し活動「どうしんぶんこ」 北海道新聞西野北・越智販売所 所長 越智斉之
小学生が将来の夢を書いて打ち上げる手作り「水ロケット」 東奥日報中里・鈴木新聞店 店主 鈴木定雄
ふながた家族新聞コンクール 山形新聞舟形専売所 所長 鈴木高規
原発事故からの復興支援「いわきスポーツ&ワイド」の発行事業 毎日民報いわき地区専売店
あい菜市 ASA柏増尾 所長 石川章一
見守り活動を中心に多方面から地域を支援 三島新聞堂 代表 渡辺幸一郎
本の無料貸し出し「信毎てまり文庫」 信濃毎日新聞松本専売所 代表取締役社長 西堀恒司
柴又帝釈天 献血の日~一人ひとりの愛が、大切な命を守ります~ 墨東読売会葛飾支部
地元の名産品を地域と共に作る!「新宿内藤とうがらし」普及活動への積極参加 今田新聞店(ニュースサービス日経・新宿)
代表取締役 今田済士
ボトルキャップ運動~世界の子どもたちにワクチンを~ 名古屋南読売会、名古屋北読売会、尾張読売会
滑川高校新聞出前授業 北日本新聞東滑川販売店 店主 橋本尚久
ミニコミ紙「さわやか情報」の発行 北國新聞粟崎販売所 所長 中島正憲
「うえまち倶楽部」を活用した地域を元気にする一連の活動 大阪市毎日会上町支部
社会福祉協議会と取り組む「引きこもりの自立支援活動」 毎日新聞豊中販売所 所長 中村龍男
ミニコミ紙「山科新聞」の発行 京都新聞山科販売所 所長 渡邊辰幸
みんなの新聞づくりコンテスト 三木市神戸新聞販売店(神戸新聞三木東販売所、三木販売センター、吉川販売所)
みみちゃん杯ファミリーグラウンドゴルフ大会 日本海新聞東部青年会
新聞◯(マル)付け教室 徳島新聞立岩専売所 所長 渡邊卓史
野根山街道散策ツアーなど地域活性化への取り組み 高知新聞奈半利販売所 所長 坂本年男
タオル帽子を贈ろうキャンペーン 西日本新聞エリアセンター連合会
子どもたちの環境意識を高める新聞紙を使ったエコバッグ教室などを開催 大分合同会夫人部会「花結」
ページの先頭へ