新聞広告賞

  1. HOME
  2. 新聞広告賞
  3. 新聞広告賞2010

 日本新聞協会は9月1日、新設した新聞広告大賞を東芝の「一般白熱電球製造中止広告」に贈ることを決めました。第30回新聞広告賞の受賞者とともに発表しました。
 新聞広告大賞は、30回の節目を迎えた新聞広告賞の広告主企画部門に今回から創設されました。新聞広告賞は、新しい新聞広告の可能性を開拓した広告活動を顕彰し、新聞と広告の発展に資することを目的に、1981年に設けられました。広告主企画と新聞社企画の2部門から成ります。新聞紙上で優れた広告活動を展開し、顕著な功績をあげた広告人、新聞人に対し贈られます。
 両賞の贈賞は、10月15日(金)、東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で開かれる第53回「新聞広告の日」記念式典で行われます。新聞広告大賞には賞状、故・高田博厚氏制作のブロンズ記念像のほかに純金製記念メダルが、新聞広告賞の受賞者には賞状およびブロンズ記念像または賞牌が、それぞれ贈られます。
 新聞広告賞は今年度の広告主企画部門376件(単独広告主371件、複数広告主5件)、新聞社企画部門35件(単独企画33件、共同企画2件)の計411件の中から、東芝の作品が新聞広告大賞に、10件が新聞広告賞として入選しました。また、これとは別に、広告主企画部門について10件の優秀賞を、新聞社企画部門について5件の奨励賞を選定しました。本賞の選考は、7月23日開催の選考委員会(日本新聞協会広告委員会)で行い、9月1日開催の日本新聞協会理事会で承認しました。

[広告主企画部門・大賞]1作品(敬称略)

一般白熱電球製造中止広告
株式会社東芝 取締役 代表執行役社長 佐々木則夫

【受賞理由】

 東芝が2010年3月30日、31日、4月1日に実施した「一般白熱電球製造中止広告」は、地球環境への配慮を示すとともに、長年にわたって同社を支え続けてきた商品に対する敬意を表すことで、その企業姿勢を訴求した広告である。

 東芝は2010年3月、国内で初めて実用化に成功した一般白熱電球の製造を中止し、120年間にもおよぶその歴史に幕を閉じた。CO2排出量の削減のため、他社に先駆けて下された決断の重みを、これまで実際に白熱電球を製造していた工場と社員を登場させることで表現し、その真摯な姿勢が読者の共感を呼んだ。新聞広告ならではの社会性とニュース性、そして次世代のLED電球の販売促進に大きく貢献した点が高く評価された。

[広告主企画部門・本賞]5作品(広告主名50音順、敬称略)

「仙台横丁物語」&「気分は横丁」仙台角瓶キャンペーン
サントリービア&スピリッツ株式会社 東北支社 執行役員東北支社長 小島 孝

【受賞理由】

 サントリービア&スピリッツ東北支社が、2008年4月21日から2009年10月26日まで実施した「『仙台横丁物語』&『気分は横丁』仙台角瓶キャンペーン」は、商品の販売を促進するとともに、地域の活性化を試みたシリーズ広告である。

 ハイボール(ウイスキーのソーダ割り)によるウイスキーの消費拡大を訴求し、さらには仙台市内に数多く残る昔ながらの「横丁」を活性化させるため、ハイボールを提供する横丁の飲食店を夕刊で2年間にわたって継続的に紹介した。新聞広告によって、商品の売り上げと地域の振興に大きく貢献した点が高く評価された。

TRY 渡来 長崎
社団法人長崎県観光連盟 会長 野﨑 元治

【受賞理由】

 長崎県観光連盟が2009年11月22日に実施した「TRY 渡来 長崎」は、多彩な景観、歴史、文化に恵まれた長崎県を工夫されたビジュアルで紹介し、長崎の魅力を再発見させた広告である。

 長崎県内の観光地、史跡を、「SPAIN?」などと一見して海外の風景とも思えるような写真で問いかけ、次面でそのすべてが同県の観光地であることを明かし、ポスターなどによる多角的な展開により、幅広い層から好評を博した。雄大で奥行きのあるビジュアルと、ページ送りを効果的に活用した優れたクリエーティブで、いまだ知られざる長崎の魅力を存分に読者に伝えたとして高く評価された。

「ビッグな夢を見よう。」キャンペーン
日本マクドナルド株式会社 代表取締役会長兼社長兼CEO 原田 泳幸

【受賞理由】

 日本マクドナルドが2010年3月26日に実施した「『ビッグな夢を見よう。』キャンペーン」は、スポーツ支援を通じての商品の販売促進をさまざまな切り口で訴求したキャンペーン広告である。

 日本マクドナルドは長年にわたってさまざまなスポーツ振興を行っているが、2010年は、東京ドームで行われるプロ野球の試合で対戦する両チームにホームランが出るとハンバーガーの無料券が観戦者に提供される「BIG MAC TWIN ARCH」、抽選で親子を特別席での野球観戦に招待する「McDonald's Excite Seat」などを展開した。東京ドームとビッグマックの連携をシンプルながらインパクトのあるビジュアルで表現した広告を、野球の開幕日に合わせて掲載した点が高く評価された。

パナソニック「ナノイー技術」
パナソニック株式会社 代表取締役社長 大坪 文雄

【受賞理由】

 パナソニックが2009年12月28日に実施した「パナソニック『ナノイー技術』」は、広告の中に新聞記事を直接とりあげた構成により、同社の技術を訴求したブランド広告である。

 新型インフルエンザが流行した2009年の年末、パナソニック独自の菌やウイルスの除去技術「ナノイー」をアピールした。「来年の日本は、空気がニュースになりませんように。」とのコピーの下に、「ウイルスで相次ぐ休校」「観測史上最悪の花粉飛散」「家事にもアレル物質の影響」などの記事を配したクリエーティブで訴求内容に説得力を持たせている。新聞の持つ公共性を存分に生かしたものとして高く評価された。

広島とともに80年「福屋物語」
株式会社福屋 代表取締役社長 大下 洋嗣

【受賞理由】

 福屋が2009年10月1日に掲載した「広島とともに80年『福屋物語』」は、地域と、そして顧客とともに歩んできた同社の歴史を振り返ることで、改めて地元との絆を強め、企業への共感を訴求した記念広告である。

 2009年10月1日に福屋が創業80周年を迎えることを機に、これまでの福屋の歩みとその時代をたどり、一般の読者から寄せられた「福屋と私」と題したエッセー18編を紹介し、読者に、同社と広島市、広島市民がこれまで常にともにあったことを印象づけた。地域に密着した新聞、新聞広告の特性を生かした展開、そして、顧客との深いつながりを想起させる紙面構成が高く評価された。

[広告主企画部門・優秀賞]10作品(広告主名50音順、敬称略)

◇「味の素」100周年・婚活を支えた味。(味の素株式会社)
◇「KANBUN 心の見聞録」シリーズ(株式会社寛文五年堂)
◇Close Up ! KYOTEI ●私にとっての競艇●(財団法人競艇振興センター)
◇人のための道具だから。社会のための道具だから。(株式会社小松製作所)
◇シヤチハタ模様(シヤチハタ株式会社)
◇キミがいたから、ジャンプできた。 ONE PIECE from 週刊少年ジャンプ(株式会社集英社)
◇CHIFURE 「SAVE WOMAN」キャンペーン(株式会社ちふれ化粧品)
◇かけがえのない一台シリーズ(トヨタ自動車株式会社)
◇日本ハムグループ 企業広告「育む」シリーズ(日本ハム株式会社)
◇書く、を支える。(株式会社パイロットコーポレーション)

[新聞社企画部門・本賞]5作品(会員名簿順、敬称略)

「読売新聞×AKB48」プロジェクト
読売新聞東京本社広告局(代表=常務取締役広告担当 大月 曻)

【受賞理由】

 読売新聞東京本社が2009年6月22日から10月20日までに実施した「『読売新聞×AKB48』プロジェクト」は、読売新聞創刊135周年を記念し、AKB48とのコラボレーションを通じて、若者に夢や希望を持つことの大切さと新聞を見つめ直してもらうことを狙った企画である。

 若者に人気のあるAKB48を起用し、女子高生の視点から日常生活での新聞の役割をアピールすることで話題を呼び、紙面展開だけにとどまらず、コンサート、シングルCD発売というアーティスト活動とも立体的に連動したキャンペーン展開が、新聞に親しむ機会を創出した新たな手法として高く評価された。

東京の森を歩く
東京新聞広告局(代表=広告局長 井戸 義郎)

【受賞理由】

 東京新聞が2009年6月29日から2010年5月28日に実施した「東京の森を歩く」は、東京の地元紙として身近にある東京の自然「東京の森」をテーマにした企画である。

 東京の自然と四季を美しい写真で紹介した紙面の中に、工夫されたレイアウトで広告を配し、東京の森と広告内容が一体感を感じさせる展開が注目された。また、読者プレゼント用に制作した卓上カレンダーには、読者から好意的な反響が数多く寄せられた。

 東京の自然に着目した発想と縦半ページ広告を活用した紙面展開は、新聞の媒体特性をうまく生かした企画として、高く評価された。

横濱開港新聞
神奈川新聞社営業局(代表=営業局長 三好 秀人)

【受賞理由】

 神奈川新聞社が2006年6月2日から2010年3月5日に実施した「横濱開港新聞」は2009年に横浜が開港150周年を迎えるにあたり、黒船来航、日米和親条約締結など郷土にかかわる歴史を開港以来、創業、発展を続けてきた県内外の企業の広告とともに紹介した企画である。

 幅広い読者が興味を持つよう、開港当時に現在の新聞が発行されていたらどのように事件を伝えたかという発想のもとで制作した紙面は、県内の小学校の教材として活用されるなど大きな反響があった。記事に合わせた新規広告主を開拓するなど、新聞広告の新たな可能性を示した企画として高く評価された。

第62回新聞大会記念広告特集号 新聞広告に返事をしよう。キャンペーン
「ココロにとどく、ココロがうごく。新聞広告。」
静岡新聞社営業局(代表=取締役営業局長 村松 重治)

【受賞理由】

 静岡新聞社が2009年8月28日から9月22日に実施した、「第62回新聞大会記念広告特集号 新聞広告に返事をしよう。キャンペーン『ココロにとどく、ココロがうごく。新聞広告』」は、新聞広告を企業から読者への「ラブレター」に見立て、受け取った読者からの返事を募集、掲載し、企業と読者の結び付きを図った企画である。

 「ラブレター」を読んだ読者には、その返事をはがき、封書のほかインターネット、携帯電話などのウェブを活用して応募を呼びかけ、寄せられた返事をウェブ上で閲覧できるようにしたほか、新聞大会の別刷り特集にも掲載した。

 これまで一方向性とされてきた新聞広告を、ラブレターという形で企業と読者との双方向性を上手く実現させ、新聞広告の役割や読者の視点を再認識させた広告として、高く評価された。

福岡新聞学校プロジェクト
西日本新聞社広告局、朝日新聞西部本社広告部、毎日新聞西部本社広告局、読売新聞西部本社広告局、
日本経済新聞社西部支社クロスメディア営業部
(代表=西日本新聞社 執行役員広告局長 行武 亨)

【受賞理由】

 西日本新聞社、朝日新聞西部本社、毎日新聞西部本社、読売新聞西部本社、日本経済新聞社西部支社が2009年11月12日から2010年3月14日までに共同で実施した「福岡新聞学校プロジェクト」は、在福5紙が連携して高校生に新聞を通じて呼びかけ、地域の未来について考えてもらい、それを地域に生かしていこうという企画である。

 提案募集広告は県内の高校新聞部と協働して紙面を制作し、県内の全高校生にその新聞のいずれか1紙が届くよう配布した。総合学習の授業で取り上げた学校もあり、新聞離れが顕著な高校生に対し、新聞社が連携して新聞に親しむ機会を作り、新聞社のパワーと新聞広告の可能性を示した企画として高く評価された。

[新聞社企画部門・奨励賞]5作品(会員名簿順)

◇「映す広告新聞」(朝日新聞大阪本社広告局)
◇仙台市市制120周年・政令指定都市20周年記念
 百年の杜づくり あしたのみどりキャンペーン(河北新報社営業本部)
◇WE LOVE ドラゴンズ~日本の元気はナゴヤから~(中日新聞社広告局)
◇「神戸新聞の7日間」特集紙面(神戸新聞社営業局)
◇fukuoka B discovery magazine fb(西日本新聞社広告局)