新聞広告賞

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 日本新聞協会は9月3日、新聞広告大賞を株式会社集英社の『ONE PIECE』コミックス3億冊突破記念キャンペーン 「ニッポン縦断!OPJ47クルーズ」に贈ることを決めた。
 大賞作品は47都道府県ごとに掲載紙の広告デザインを切り替え、人気漫画のキャラクターが各地の特産品や名所を紹介した。コンテンツと新聞の特性との見事な掛け合わせで、掲載紙がコレクターズアイテムとなるなど強い発信力を生み出した。
 新聞広告賞は、新聞広告の新しい可能性を開拓した広告活動を顕彰し、新聞と広告の発展に資することを目的に、1981年に設けられた。広告主部門と新聞社企画部門の2部門から成り、新聞紙上で優れた広告活動を展開した広告主企業、新聞社に贈る。
 贈賞は10月20日(月)、東京・芝公園の東京プリンスホテルで開かれる第57回「新聞広告の日」記念式典で行われる。新聞広告大賞には賞状、トロフィー、メダルが贈られる。
 第34回新聞広告賞には、広告主部門365件(単独広告主363件、複数広告主2件)、新聞社企画部門60件(単独企画57件、共同企画3件)の計425件の応募があり、大賞1件、新聞広告賞11件を選定した。また、広告主部門について11件の優秀賞を、新聞社企画部門について5件の奨励賞を選んだ。

[広告主部門・大賞]1作品(敬称略)

『ONE PIECE』コミックス3億冊突破記念キャンペーン
「ニッポン縦断!OPJ47クルーズ」
株式会社集英社

【受賞理由】

 集英社の人気漫画のコミックスが累計3億冊を突破したことを記念し、漫画のキャラクターと47都道府県の名所・特産品を組み合わせ、毎日異なるキャラクターが北海道から順に登場する仕掛けで、各地の読者を驚かせた。いつ、どのキャラクターがどの新聞に現れるのかが、ソーシャルネットワークを通じ全国で注目され、広い層にキャンペーンの内容が浸透した。魅力あるコンテンツと新聞の特性との相乗効果で、掲載紙の読者にとどまらない発信力を生み出した。最後に主人公が海を越え「ニューヨーク・タイムズ」と台湾の「中国時報」に登場してキャンペーンを締めくくったことも話題を呼び、新聞広告の新たな可能性を切り開いた作品として高く評価された。

「ONE PIECEコミックス3億冊突破記念キャンペーンサイト」はこちら 「広告事例」掲載ページ

[広告主部門・新聞広告賞]5作品(広告主名50音順、敬称略)

『和食は、和色で、できている。』
『日本には、お母さんが毎日つくる世界遺産があります。』
味の素株式会社

【受賞理由】

 和食の価値を次世代に継承したいという企業の思いを、ユネスコ無形文化遺産に和食が登録された機をとらえ美しいビジュアルで表現した。日本の伝統色「和色」で、料理の彩りと味わい深い世界を芸術的に伝えた1作目に続き、2作目は四季折々の素材を生かした和食の豊かさを「お母さんが毎日つくる世界遺産」という愛情あふれる言葉を添えて訴求し、読者の共感を得た。世界に誇る日本の文化を端正な表現で人々に改めて示し、和食の普及に取り組む企業の姿勢を伝えた作品として高く評価された。

元旦宣言広告「固定概念を、ぶっ壊す。」
学校法人近畿大学

【受賞理由】

 一般入試の受け付け開始を告知するとともに、力強いコピーとビジュアルで「大学の序列」という固定概念に挑む近畿大学の決意を表明した。クロマグロの完全養殖に成功した研究力の高さを大胆に表現し、常識に挑戦する大学の姿勢をストレートに伝えた。受験生やその親など関係者へ強く訴求し、平成26年度の私立大学入試志願者数が全国1位になるなど、新聞広告を活用した広報戦略の成果が高く評価された。

休肝日の断り技四十八手
サントリーホールディングス株式会社

【受賞理由】

 酒の誘いの断り方を、相撲の技になぞらえてユーモアたっぷりに紹介し、「断る事もお酒を楽しむ大事な技」と休肝日を推奨した。大相撲の番付表を連想させるデザイン、味のあるイラストとコピーなど細部までていねいに作り込んだ表現が読者を引き込み、職場の歓送迎会シーズンを前にしたタイムリーな出稿で話題を呼んだ。「お酒は楽しく飲んでほしい」との企業メッセージを巧みに表現した作品として高く評価された。

DRIVING KIDS with TOYOTA
株式会社トヨタマーケティングジャパン

【受賞理由】

 「世界中の愛すべき『走り大好き小僧たち』」に向け、クルマに乗る楽しさ、運転する楽しさを素直に伝えるメッセージ性あふれる広告を展開した。斬新な英文レタリング、ポップなイラストと躍動感あふれる写真が、クルマに乗る時、走らせる時の「ワクワクとドキドキ」を伝え読者を魅了した。掲載されたクルマの問い合わせが増えただけでなく実際の売り上げにも貢献し、新聞広告が読者の心を動かすことを証明した作品として高く評価された。

「広告事例」掲載ページ
「行くぜ、東北。」
東日本旅客鉃道株式会社

【受賞理由】

 列車が走る風景写真、キャンペーンロゴ、コピーが一体となり、読者の東北への旅情をかき立てた。シンプルで語り過ぎない表現が鉄道、旅、東北に対する人々のさまざまな思いを喚起し、メッセージを深く心に刻むとともに、「メールじゃ会えない。レールで会おう。」のコピーが読者の共感を呼んだ。東北に足を運ぶことが最大の復興支援との強い思いで、鉄路の旅の魅力を伝えただけでなく、東北の人々を勇気づけた作品として高く評価された。

「広告事例」掲載ページ

[広告主部門・優秀賞]11作品(広告主名50音順、敬称略)

◇おかえり、三鉄。 (岩手県三陸鉄道強化促進協議会)
◇キリン メッツ コーラ 全国ご当地メシ応援企画 (キリンビバレッジ株式会社)
◇大辞泉「あなたの言葉を辞書に載せよう。2014」 (株式会社小学館)

◇ハンズのモノ研 (株式会社東急ハンズ) ◇企業広告シリーズ「印刷テクノロジーで、世界を変える。TOPPAN」 (凸版印刷株式会社)
◇村上龍「速いものは、美しい」 (日本中央競馬会)
◇「函館蔦屋書店」オープンに関わる一連の広告展開 (函館蔦屋書店株式会社)
◇パナソニックの店「東北の街の元気屋になる。」 (パナソニック株式会社) ◇「食べモノは、愛のカタチ。」シリーズ (ホクレン農業協同組合連合会)
◇『明治ミルクチョコレート』は87回目の誕生日を迎えました。 (株式会社 明治) ◇ぜったい、優勝するぞ/日本一になりました (株式会社楽天野球団)

[新聞社企画部門・新聞広告賞]6作品(会員名簿順、敬称略)

3.11大震災復興支援企画 みやぎ風プロジェクト
河北新報社 営業局

【受賞理由】

 東日本大震災の被災地が抱える風評被害の解決に向け、食材王国みやぎの食材の魅力と安全を生産者に寄り添い発信した。再生に向けて前進する生産者の姿、生産者を応援する広告主企業・団体の取り組みをていねいに紹介して読者の共感を得た。テレビCMや首都圏などでの広告掲載、冊子配布など、多様な手法で広域での浸透を図り、大きな反響を呼んだ。官民あげての共同プロジェクトは、復興への追い風となり県民に勇気を与え、被災地の新聞社による使命感あふれる秀逸な企画として高く評価された。

「広告事例」掲載ページ
宇都宮餃子消費量日本一奪還プロジェクト
下野新聞社 営業局

【受賞理由】

 宇都宮市の「餃子購入額日本一」奪還を地元紙として応援し、広告企画として展開した。東日本大震災の影響を受け、15年間守り続けた日本一の座を明け渡したことを契機に、行政・企業・団体がひとつになって「宇都宮市餃子消費量日本一奪還推進委員会」を発足、同委員会のプロジェクトに足並みをそろえ、奪還までの軌跡をシリーズで伝えた。ソーシャルネットワークへの展開や、高校生参加の店頭キャラバンなどを通じ若年層への浸透を図ったほか、観光協会などと連携したイベントで、大きな反響を呼び、新規広告主の開拓など広告営業でも成果を上げた。奪還当日の号外発行まで同時進行していく臨場感をもった展開と、地域の活性化を果たした新聞社の総合力が高く評価された。

信濃毎日新聞創刊140周年記念『家族のはなし』
信濃毎日新聞社 広告局

【受賞理由】

 パラパラ漫画と読者から寄せられた家族のエピソードを載せ、11月17日の「家族の日」に別刷り特集「家族のはなし」を発行し、家族の大切さを見つめ直す機会を広く提供した。二連版の紙面に、7月6日から連日掲載された突き出し広告を貼ると140字のメッセージができあがるよう仕掛け、別刷り特集への読者の期待感を高めた。同紙に掲載された地元出身のお笑い芸人・鉄拳さんによるパラパラ漫画「家族のはなし」は感動的な作品として話題となり、全1918コマを無料動画サイトで公開したアニメーション版は、3か月で66万回以上のアクセスを記録するなど反響を呼んだ。テレビ番組やウェブで数多く取り上げられ、協賛企業・団体に大きな広告効果をもたらした。新聞の特性を生かして読者を巻き込み、パラパラ漫画との異色の組み合わせで、多くの共感を呼んだ企画として高く評価された。

REAL 舞 HIROSHIMA ~地元紙による伝統芸能の保存と伝承~
中国新聞社 広告局、事業情報センター

【受賞理由】

 郷土が誇る「祭り」や「舞・踊り」を広く知ってもらい、伝統文化の継承・発展を目指すため、県内九つの祭りを紹介した。地元の文化を支えたいと願う企業・団体の協賛を得て、広告企画として展開。AR(拡張現実)技術を利用し、スマートフォンをかざすと紙面に掲載された踊り手の写真が動き出し、おはやしの音も鳴り読者の関心を高めた。ウェブやケーブルテレビとの連動で、紹介したお祭りは従来の1.5~2倍の来場者を集めた。約172万人が来場したイベント「フラワーフェスティバル」の会場でも演舞を披露した。高齢化で存続が危ぶまれていた各祭り団体への強力な後押しとなるとともに、新聞を中心とした多面的な展開で郷土芸能の魅力を最大限に発信した企画として高く評価された。

わがまま写真館
西日本新聞社 広告局

【受賞理由】

 読者が応募した家族写真のアイデアをもとにプロカメラマンが「夢の一枚」として撮影し、「父の日」や「いい夫婦の日」など家族にまつわる記念日に掲載した。野球場での胴上げ、飛行機のタラップでの結婚式、アイドルとの共演など、通常、撮影不可能な場所でも企業等の協力を得て“わがまま”な夢をかなえた。家族撮影会をメーンにしたイベントには1000人以上が来場し、撮影した家族写真の一部を、新聞の機動性を生かし、リアルタイムアドとして翌11月17日「家族の日」の朝刊に掲載した。世帯メディアである新聞の存在感を発揮し、写真が掲載された家族だけでなく、読者も笑顔になる好企画として高く評価された。

AICHI SAFETY ACTION

朝日新聞名古屋本社 広告部
中日新聞社 広告局
中部経済新聞社 広告部
日本経済新聞名古屋支社 クロスメディア営業部
毎日新聞中部本社 広告部
読売新聞中部支社 広告部

【受賞理由】

 2012年、交通事故死者数が10年連続ワースト1を記録した愛知県の危機的状況に目を向け、メディアの垣根を越えて交通事故を減らす活動を展開した。県内のさまざまな交通事故データや事例を示し、事故を未然に防ぐことを目的に、6紙ごとに異なる独創的な表現で2度にわたり同日一斉掲載し、約350万世帯という大きなスケールでメッセージを発信した。ラジオCM、屋外広告の展開、親子交通安全教室など立体的なプロモーション活動を通じ、車の運転に対する県民の意識・行動の変化を促し、交通事故死者数の大幅な減少に貢献した。行政、県警も巻き込み、多くの地元企業の賛同を得て社会的な課題の解決に寄与した企画として高く評価された。

「広告事例」掲載ページ
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[新聞社企画部門・奨励賞]5作品(会員名簿順)

◇高校生が選ぶ25市町村みんなの地域遺産 (秋田魁新報社 営業局)

◇全広連名古屋大会開催記念特集 (中日新聞社 広告局)
◇ビッグスワンをオレンジで埋めつくせ~GIANT ORANGE Project~
◇日本人の忘れもの 知恵会議 ~未来を拓く京都の集い~ (京都新聞社 京都新聞COM営業局)
◇さよなら大名小学校 (西日本新聞社 広告局)