沖縄タイムス社は6月1日、ニュースペーパーダイレクト社(本社・カナダ)のシステムを利用し、海外電子配達版のサービスを開始した。日本国内で同社のシステムを利用するのは、毎日新聞とスポーツニッポンに続き3紙目。
このシステムは、37か国122紙が利用している。紙面データをPDF(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)ファイル化し、インターネットでニュースペーパーダイレクト社のサーバーに送信。利用者は、同サーバーに接続された「プリントステーション」から購読を申し込み、紙面レイアウトをそのままA3判で取り出すことができる。
ニュースペーパーダイレクト社は1999年から同サービスを開始。プリントステーションは米国、カナダ、英国など約30か国の主要ホテル、大学、官庁など約300か所に設置されている。7月中旬には沖縄タイムスの本社と東京支社にプリントステーションが設置される。
伊勢新聞社は読者懇談会を設置
伊勢新聞社は6月20日、長期購読者の意見を紙面作りに反映させることを目的とした「伊勢新聞読者懇談会」を発足させ、初会合を開いた。三重県内の津、伊勢、松阪、鈴鹿、四日市、伊賀の各地区の一般長期購読者から20人を委員として選出した。
会議は年4回開催。長期購読者との交流を主眼として、紙面内容について自由に意見を述べてもらい、地域に密着した紙面作りを目指す。委員の任期は1年で再選は妨げない。
岡山県新見市で初の電子投票
全国で初めて電子投票方式を採用した岡山県新見市の市長・市議会議員選挙は6月23日投票が行われ、即日開票された。開票作業時間の大幅な短縮化に注目が集まるなか、電子投票分の開票作業は22分で終了した。通常3、4時間かかる開票作業は、手書きの不在者投票を含めて2時間で終えた。
電子投票の導入は、今年2月1日の地方選挙電子投票特例法の施行により、地方選挙に限り可能になった。新見市の有権者数は19,381人で、市長選の投票率は86.82%、市議選の投票率は86.83%だった。有権者は午前7時から午後8時まで、市内43か所の投票所に設置されたタッチパネル式の機械で投票した。
投票終了後、各候補者の得票を記録した小型メモリーカードが開票所に運ばれ、コンピューターで集計、即日開票された。
新聞協会編集委員会は以前から「民主主義の根幹である選挙結果は速やかに読者・視聴者に伝えるべきだ」と主張、即日開票の徹底・開票作業の迅速化を関係省庁、各地方自治体に求めている。オンラインで開票結果が報道各社に送稿されるようになれば、選挙報道のスピードは飛躍的に向上する。来年以降、広島県広島市、宮城県白石市が電子投票を導入する考えを示している。
首都圏で無料ニュースペーパー創刊
1日、東京都内を中心とする首都圏の駅周辺で無料配布する日刊情報紙「HEADLINE TODAY」のキャンペーン版が配られ始めた。正式創刊は15日。同誌を発行するヘッドライン(本社・東京港区、社長・中山清美氏)は、英国の投資会社メディア・ベンチャー・キャピタル・リミテッド社が100%出資する日本法人。同誌発行を目的に今年4月に設立された。
タブロイド判24ページ(カラー8ページ)で、部数は30万部。10代後半から30代の新聞を読まない層をターゲットとし、月〜金曜日の週5回発行する。JR、私鉄、地下鉄などの駅周辺に設置した専用ラックに収め、朝刊と同じ時間帯に配布する。独自取材に加え、ロイター、ブルンバーグ社が配信するスポーツ、音楽、社会記事を掲載している。テレビ番組表も毎日収録する。
広告は、飲食、自動車、エンターテインメント、通販などを中心に、広告主のURLや連絡先を掲載することで、インターネットや携帯電話と連動させた形を追及する。ヨーロッパなどで成功を収めている無料日刊紙「METRO」のような媒体を想定しているようだが、読者にどう受け入れられるかは未知数で、既存の新聞はその行方に注目している。駅を配布拠点とした首都圏での無料日刊紙は日本で初めて。