新聞協会主催、日本新聞製作技術懇話会(CONPT)協賛の第19回新聞製作技術展(JANPS2007)が11月6日から4日間、「より速く、広く、きれいに――進化する新聞技術」をテーマに東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開かれ2万0295人が訪れた。新聞製作関連各社と新聞協会など過去最多の57社・団体が出展した。電子新聞や「モバイル組み版」など素材・組み版の最新システムが紹介されたほか、「4×1輪転機」も初めて実機が展示された。
10月6日の開会式では主催者を代表して、北村正任新聞協会会長(毎日新聞社代表取締役社長)があいさつ。「多メディア展開を含め、記事情報をより速く、広範囲に、きれいに読者に届ける新聞技術の進化を実感してほしい」とのべた。
情報系では、ウェブや電子新聞など多メディア展開への動きが注目を集めた。
電子新聞は日本IBM、NEC、富士通などが展示。中国のメーカー方正(ほうせい)は、自動読み上げ機能なども備え動画広告にも対応する電子新聞や、同社が運営する中国の電子新聞ポータルサイトを紹介した。
初めて出展した「CCI ヨーロッパ」は、素材を多メディアで利用できるシステム「NewsGate」を紹介。同システムは、欧米新聞社で導入が相次いでおり、日本語への対応は08年夏を目指している。
組み版システムでは、東芝ソリューションが、モバイル組み版端末を出展。ノートパソコンを用い災害時でも、紙面データを印刷工場に送ることができる。PDFによる出力も可能で、NIEなどでの利用も見込む。
印刷関連では今年、4×1輪転機などが注目を集めた。このほか、モニタープルーフ(ソフトプルーフシステム)も数多く出展された。
4×1輪転機は、西研グラフィックスが実機を展示。三菱重工業なども紹介した。三菱製のものは日刊スポーツ印刷社の築地工場に納入され、09年3月から稼働する予定。
ベルリナー判対応の印刷部も東京機械が展示した。韓国の中央日報社にアジアで初めて納入した。新聞用オンデマンド印刷も富士フイルムグラフィックシステムズが実機を展示したほか、コダックもパネルで紹介。面ごとに個人の要望に合わせた紙面や広告が製作できる。
モニタープルーフは、サカタインクス、日本システム技術、富士通などが展示した。印刷紙面を降版とほぼ同時に原寸で表示し、濃度など色の調整ができる。各種プロファイルも選択でき、NSAC(Nihon Shimbun Ad Color=新聞カラー広告色見本プロファイル)にも対応。原寸で表示できるディスプレーも08年1月に発売される。
新聞協会コーナーでは、NSACの普及に向け、実際に新聞に掲載されたトヨタ自動車のカラー広告の色見本をNSACで作成。これに基づき新聞9社の各工場で印刷した紙面を展示した。
JANPS2007−東京ビッグサイトで