社員が変わる 新聞活用のすすめ社員が変わる 新聞活用のすすめ

  • アサヒグループホールディングス
  • 代表取締役会長兼 CEO
  • 泉谷 直木

時代の変化に対応する思考力を鍛える

いずみや・なおき●1948年京都府生まれ。京都産業大学法学部卒業。1972年、アサヒビール入社。「アサヒスーパードライ」の発売時には、広報課長としてヒットをサポート。広報部長、執行役員首都圏本部副本部長兼東京支社長、取締役、常務、専務などを経て2010年、社長に就任。11年7月、持ち株会社アサヒグループホールディングス社長。16年3月から現職。

デキる社員は予測できる人

 これからの時代、企業は「お客様のニーズに応える」ことができなければ生き残れません。社会や環境が日々変化する中、ニーズも変わってきています。さらに事業を続けていくには、社員、地域、株主など関係者すべての満足が必要で、他社との競争で勝つだけではいつか頭打ちになります。
 経営とは、いわば「変化対応業」「課題創造業」。社会の変化を発見し、課題を自ら創造するのが経営者の仕事です。そして、課題の解決策を考えるのは社員の仕事です。
 よく「優秀な社員とはどんな人か」という話になります。モグラたたきに例えると、従来のいわゆる「優秀な」社員は多数のモグラを速くたたく。しかし、これからの時代に求められる「デキる」社員は、最初に2、3発たたいてみて、あとは機械の構造を調べ、モグラがいつ出るかを予測できるようにする。予測できる人は、変化に対応できます。若い人には、世の中はどんどん変化するという原理原則を覚えておいてほしい。
 その上で、若々しい感性や積極的な好奇心、高い志を持つ人がデキる社員、つまりこれからの会社に必要な人材と言えます。若い社員には考えながら実践してほしい。考えるためには知識と情報が必要です。

社内研修で新聞の「三点読み」

 情報は「正しい」ものを入手しなければ意味がありません。それには事実をしっかりと報道する新聞が一番です。
 漫然と読むのではなく、考えながら読むことが大切です。おすすめは「三点読み」。記事を三つの主語に変えて読む方法です。身近な医療費に関する記事であれば、「我が国の医療費は、我が社の健康組合の財政は、我が部門の健康支援体制は」と置き換えて考える。この読み方を続けていくと思考が大きく広がるため、私は社内研修でも推奨しています。
 「読み比べ」もおすすめです。例えば、選挙結果の各紙社説を読み比べる。仲間と新聞を「まわし読み」するのもいい。同じ情報を共有した上で話し合うと、議論の質が変わってきます。1面はもちろんですが、私はよく「家庭欄を読んで家族と話し合ってごらん」とアドバイスします。家庭欄を読むと、家庭を守ることの大変さに気づける。住んでいる地域の行事や、家事が楽になる商品を発見することもあるでしょう。新聞の情報は円満な家庭の維持にも役立ちます。
 私が若い世代に求めるのは「考える力、感性、正しく新しい情報の収集」の三つです。これらは新聞を考えながら読む習慣を持てば身につくこと。新聞の上手な活用が、個人を良くし、会社を良くし、国を良くしていくことにつながっていくのだと思います。

組織活性化と新聞

企業も社員も、社会への感度を高める
日本能率協会 近田 高志氏
日本能率協会 近田高志氏

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