多メディア時代における新聞の役割とメディア接触者の動向調査

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新聞広告とインターネットの組み合わせで相乗効果を発揮
~「多メディア時代における新聞の役割とメディア接触者の動向調査」結果を発表~


 日本新聞協会広告委員会は3月22日、「多メディア時代における新聞の役割とメディア接触者の動向調査」の結果を発表しました。
 メディア環境の変化に伴い、新聞や新聞広告への接触状況に変化が生じています。スマートフォンの普及により、インターネット経由でメディアが発信する情報に接することも増えてきました。そこで生活者のメディアへの接触状況、意識の変化などを調査した結果、新聞とインターネットは補完し合う特長を持ち、両者を組み合わせて使うことで広告効果の増大が期待できることが分かりました。
 調査は全国の15歳以上79歳以下の男女1200人を対象に、2023年9月から10月にかけて訪問留め置き法で実施しました。調査では、電子版やニュースサイト、SNSなどインターネット経由で見聞きされる新聞の情報を含め「新聞」として集計しています。テレビ、雑誌、ラジオについても同様です。
 調査結果を図表とともにまとめた資料は、下記からダウンロードください。
PR資料(PDF)
PR資料(PPT)

本調査では、生活者の新聞、テレビ、インターネットの接触頻度をもとに以下の5グループに分け、分析しました。 【資料2ページ参照】

  1. 新聞・ネット利用者
    テレビの利用状況にかかわらず新聞(紙の新聞、電子版・デジタル版)とインターネットを毎日利用している人
  2. 新聞・テレビ利用者
    インターネットは毎日使わないが新聞だけ毎日利用している、または新聞とテレビを毎日利用している人
  3. テレビ・ネット利用者
    新聞は毎日使わないがテレビとインターネットを毎日利用している人
  4. ネット利用者
    新聞とテレビは毎日使わないがインターネットを毎日利用している人
  5. テレビ利用者または全部使わない人
    新聞とインターネットは毎日使わないがテレビを毎日利用する、または新聞、テレビ、インターネットのいずれも毎日利用しない人

<補完し合う新聞とネット>

◆補完関係にある新聞とインターネット 【資料3ページ参照】

 メディアの印象・評価で重視する項目と新聞、インターネットの実際の評価の関係をみると、生活者がメディアに対し最も重視する「情報が正確で信頼性が高い」や「中立・公正である」「情報が整理されている」「安心できる」といった項目で新聞はネットより高く評価されました。
 これに対し、ネットは「日常生活に役立つ」「自分の視野を広げてくれる」「親しみやすい」といった項目で新聞よりスコアが高く、新聞とインターネットはそれぞれの特長を補完し合う関係にあることがうかがえます。

◆ネット利用者にもリーチする新聞広告 【資料4ページ参照】

 SNSで新聞広告に関する投稿の閲覧経験がある「ネット利用者」は45.8%で、「リポスト(リツイート)」「いいね」などの反応やシェアをしたことがある、または投稿をしたことがある人は27.5%に上ります。
 調査回答者のうち、SNSをより利用していると思われる15~39歳は他の年代よりも新聞広告に関するSNS上の投稿に「反応やシェア」をしたり、実際に投稿したりする傾向があることが分かりました。
 新聞広告は日常的に新聞に接触しない生活者や若年層にも、SNSを通じてリーチできる可能性があることがうかがえます。

◆ネット情報の信頼性向上に役立つ新聞広告 【資料5ページ参照】

 新聞接触者(週1日以上)がインターネットで記事や広告を見た後、紙の新聞広告で同じ情報に触れたとき、「理解が増す」と答えた人は39.1%、「信頼性が増す」は31.5%でした。これに対し、テレビ接触者(週1日以上)がネットで記事や広告を見た後にテレビCMを見て「理解が増す」「信頼性が増す」と答えた割合は新聞を下回り、雑誌、ラジオについても同様の傾向が見られました。
 新聞とネットを組み合わせることで、それぞれの媒体特性を生かし、広告の訴求力を高めることが期待できます。

<新聞・ネット利用者の特徴>

◆社会貢献への感度が高い 【資料7ページ参照】

 新聞・ネット利用者は「選挙では必ず投票する」(80.1%)、「社会貢献に積極的な企業の姿勢は、商品やサービスを選ぶ際の選択理由になる」(41.5%)、「企業の環境対策やSDGs・サステナビリティー(持続可能性)への取り組みに関心がある」(40.2%)などの項目が全体よりも特に高い傾向が見られ、ネット利用者のスコアより10ポイント以上高いことが分かりました。
 「社会奉仕、ボランティア活動をしている」「次世代が生きる社会についても配慮したい」「防災対策をしている」といった項目でも、ネット利用者より10ポイント以上高い結果となりました。
 新聞・ネット利用者は社会貢献への感度が高く、将来を見据えて行動する傾向も見られることから、企業のパーパス(社会的な存在意義)を伝えるターゲットとして適していると考えられます。

◆情報の質を重視 【資料8ページ参照】

 新聞・ネット利用者は、メディアの印象・評価として「情報が正確で信頼性が高い」(71.2%)、「中立・公正である」(53.8%)など情報の質を重視する傾向があります。また「情報が正確で信頼性が高い」「中立・公正である」「安心できる」(53.5%)、「世の中の動きを幅広く捉えている」(37.0%)、「知的である」(32.3%)の各項目に関しては、ネット利用者より特に高いスコアとなりました。

◆商品やサービス、公共的な情報への関心が高い 【資料9ページ参照】

 関心のある広告ジャンルを複数回答で尋ねたところ、新聞・ネット利用者は「新商品・サービスの発表」が76.5%、「商品・サービスのキャンペーン」が58.8%に上り、いずれもネット利用者より高いスコアでした。新聞広告とネットを組み合わせて新商品・サービスの告知やキャンペーンを展開すれば、ターゲット層の関心を集め、購買意欲を高める可能性があることがうかがえます。また新聞・ネット利用者は「政府・自治体広報」「地域活性化に向けた取り組み」のスコアがネット利用者より10ポイント以上高く、公共的な情報への関心が高いことがうかがえます。

◆新聞をきっかけにネットで能動的に情報収集 【資料10ページ参照】

 紙の新聞や新聞広告を見てネットで調べることがある人は全体の24.3%でした。これに対し、新聞・ネット利用者の50.9%は紙の新聞や新聞広告を見てネットで調べることがあると回答しており、新聞や新聞広告を情報収集のきっかけにしていることがうかがえます。

◆新聞とネットを組み合わせた広告活動により広告の効果が高まる 【資料11ページ参照】

 調査データから、新聞広告とインターネットを組み合わせた広告活動を展開することで、新聞広告の強みが発揮され、広告効果の増幅が期待できることが分かりました。
・新聞や新聞広告は信頼性の高さが評価されています。信頼性の高い媒体を通じて情報を発信することで、メッセージの信頼性や理解が増します。(資料3、5ページ)
・新聞広告が発信する情報は、SNSで拡散され話題になることがあります。若年層や新聞読者に限らない広範なターゲットにメッセージが届けられます。(資料4ページ)
・新聞・ネット利用者は社会貢献への意識が高く、未来志向の考えを持っており、企業のパーパスの訴求に適しています。(資料7ページ)
・新聞・ネット利用者は、新聞や新聞広告に掲載された情報をネットで調べる傾向があります。新聞広告が興味・関心を高め、情報収集のきっかけとなっています。(資料10ページ)

◆日本新聞協会について
新聞・通信・放送122社で構成する一般社団法人。

◆日本新聞協会広告委員会について
日本新聞協会会員新聞社の広告・営業局長63社63人で構成。

◆「多メディア時代における新聞の役割とメディア接触者の動向調査」について
メディア環境や生活様式の変化を踏まえ、日本新聞協会広告委員会が2017年から行ってきた「新聞オーディエンス調査」を刷新した調査として新たに実施しました。全国の15歳以上79歳以下の男女1200人を対象に、訪問留め置き法で各メディアの接触状況、印象・評価、広告メディアの印象・評価などを調べます。

〈この件に関する問い合わせ先〉

日本新聞協会 広告部広告担当
電話:03-3591-4407  メール:koukoku@pressnet.or.jp

以  上