多メディア時代における新聞の役割とメディア接触者の動向調査

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新聞×ネットの広告シナジーが創出する新しい価値
~「多メディア時代における新聞の役割とメディア接触者の動向調査」結果を発表~


 日本新聞協会広告委員会は3月13日、「多メディア時代における新聞の役割とメディア接触者の動向調査」(2025)の結果を発表しました。
 デジタル時代において、生活者は既存メディア発の情報をマス媒体だけでなく、インターネットからも入手し活用しています。生活者のメディアへの接触・利用状況や印象・評価などを明らかにした調査結果から、ネット広告やSNSのみで企業メッセージを発信するよりも、新聞広告を組み合わせることで、効果的な広告活動が期待できることが分かりました【資料2ページ】。新聞や新聞広告とネットとの関係、両者が生み出す相乗効果と利用者の特徴からうかがえる新しい価値をご紹介します。

 調査は全国の15歳以上79歳以下の1200人を対象に、2024年9月から10月にかけて乗り合い形式の訪問留め置き法で実施しました。調査では、電子版やニュースサイト、SNSなどネット経由で見聞きされる新聞の情報を含め「新聞」として集計しています。テレビ、雑誌、ラジオについても同様です。PR資料は、「Ⅰ 補完し合う新聞とネット」「Ⅱ 新聞・ネット利用者の特徴」「Ⅲ 新聞メディアの特性」の3部構成となっています。Ⅲについては従来、ネットをひとくくりにしたデータのみを紹介してきましたが、今回は「ニュースサイト・アプリ」「ポータルサイト・検索」「SNS」「動画共有プラットフォーム」に細分化したデータも掲載しました。
PR資料(PDF)
PR資料(PPT)

<Ⅰ 補完し合う新聞とネット>

【資料3ページ】

 新聞とネットには異なる特長があり、相互に補完し合う関係にあることから、両者の強みを生かして期待できる広告効果を紹介します。なお、本調査では生活者の新聞、テレビ、ネットの接触頻度をもとに以下の3グループに分け、分析しました。

  1. 新聞・ネット利用者
    テレビの利用状況にかかわらず新聞(紙の新聞、電子版・オンライン版)とインターネットを毎日利用している人
  2. ネット利用者
    新聞とテレビは毎日使わないがネットを毎日利用している人
  3. テレビ・ネット利用者
    新聞は毎日使わないがテレビとネットを毎日利用している人

【資料4ページ】 補完性のある新聞とネット

 メディアの印象・評価で重視する項目と実際の評価から新聞とネットの関係をみると、生活者がメディアに対し最も重視する「情報が正確で信頼性が高い」や「安心できる」「中立・公正である」「情報が整理されている」といった項目で新聞はネットより高いスコアとなりました。
 これに対しネットは「日常生活に役立つ」「自分の視野を広げてくれる」「親しみやすい」といった項目で新聞よりスコアが高く、新聞とネットはそれぞれの特長を補完し合う関係にあることがうかがえます。

【資料5ページ】 ネット利用者にも届く新聞広告

 SNSで新聞広告に関する投稿の閲覧経験がある「ネット利用者」は45.5%で、「リポスト(リツイート)」「いいね」などの反応またはシェア、投稿をしたことがある人は26.7%に上ります。幅広い年齢層が新聞広告に関するSNS上の投稿を閲覧し、反応またはシェア、投稿した経験があることも分かりました。新聞広告は日常的に新聞に接触しない人にも、SNSを通じてリーチできる可能性がうかがえます。

【資料6ページ】 新聞広告×ネットで理解促進・信頼性向上

 ネットで記事や広告を見た後に、各メディア(「紙の新聞」「地上波・BS・CSなどのテレビ」など)の広告で同じ情報に触れた時の感じ方を尋ねました。
 マス4媒体それぞれに週1日以上接触している人をメディアごとに比べると、紙の新聞広告を見て「理解が増す」と答えた人は36.1%、「信頼性が増す」と答えた人は29.8%で、全メディアの中で最も高いスコアとなりました。
 新聞とネットを組み合わせることで、それぞれの媒体特性を生かし、広告の訴求力を高めることが期待できます。

<Ⅱ 新聞・ネット利用者の特徴>

【資料7ページ】

 新聞とネットを毎日利用している人を「新聞・ネット利用者」、新聞とテレビは毎日使わないがネットを毎日利用している人を「ネット利用者」として、両者の特徴や違いを明らかにします。

【資料8ページ】 未来志向・社会貢献感度の高い新聞・ネット利用者

 新聞・ネット利用者は高い社会意識と未来志向を有していることが明らかになりました。選挙への投票率や社会問題への関心がネット利用者と比較して高く、特に「企業の環境対策」「次世代の社会」への関心は10ポイント以上の差が見られました。また、「健康」「防災」に関する意識も高いことが読み取れます。
 新聞・ネット利用者は企業の社会的な責任や持続可能性への取り組みを重視しており、企業のパーパスに共感しやすい層であると考えられます。企業が自社の存在意義を明確に示し、社会貢献活動などを積極的に発信することで、ブランドイメージ向上につなげることが期待できます。

【資料9ページ】 企業姿勢を商品・サービス選択時に参考

 商品・サービスなどを選ぶ際の理由となる積極的な企業姿勢をたずねたところ、すべての項目で新聞・ネット利用者は全体とネット利用者のスコアよりも高いことがわかりました。
 とりわけ「地域振興」(72.9%)、「カーボンニュートラル、脱炭素」(58.6%)、「スポーツ振興・アスリート支援」(56.9%)、「ダイバーシティー・エクイティー&インクルージョン(多様性・公平性・包括性:DEI)」(51.9%)の項目はネット利用者よりも10ポイント以上高い結果となりました。
 未来志向・社会貢献などに感度の高い新聞・ネット利用者は、商品・サービスなどを選ぶ際に企業姿勢を参考にする様子もうかがえます。企業の取り組みを新聞・ネット利用者に伝えることで、共感や親しみ、理解促進に結びつく可能性が考えられます。

【資料10ページ】 情報の質を重視する新聞・ネット利用者

 新聞・ネット利用者は、メディアの印象・評価として「情報が正確で信頼性が高い」(68.2%)、「中立・公正である」(48.4%)、「世の中の動きを幅広く捉えている」(46.4%)といった情報の質を重視する傾向があります。
 また、ネット利用者と比較して10ポイント以上高いスコアとなった項目は、「地域に密着している」「中立・公正である」「情報が正確で信頼性が高い」「世の中の動きを幅広く捉えている」でした。

【資料11ページ】 メディアを組み合わせて購買意欲向上に

 印象に残る広告ジャンルを複数回答でたずねたところ、新聞・ネット利用者は「商品・サービスの告知」が62.1%に上り、ネット利用者より9.2ポイント高いスコアでした。新聞広告とネットを組み合わせて商品・サービスのキャンペーン等を展開すれば、ターゲット層の関心を集め、購買意欲を高める可能性がうかがえます。
 また、新聞・ネット利用者のスコアはすべての項目でネット利用者よりも高く、とりわけ「謹告・リコール・回収のお知らせ」「災害からの復興支援」「イベント・募集告知」で10ポイント以上高いことが分かりました。新聞・ネット利用者はさまざまなことへの関心がより高いことがうかがえます。

【資料12ページ】 新聞を起点にネットで情報収集

 紙の新聞や新聞広告を見てネットで調べることがある人は全体の27.8%でした。これに対し、新聞・ネット利用者の51.6%は紙の新聞や新聞広告を見てネットで調べることがあると回答しており、新聞や新聞広告を情報収集のきっかけにしていることがうかがえます。

<Ⅲ 新聞メディアの特性>

【資料13~20ページ】

 新聞や新聞広告の特長をトピック別に紹介します。ネットを「ニュースサイト・アプリ」「ポータルサイト・検索」「SNS」「動画共有プラットフォーム」に細分化したデータも掲載しました。
 ネットやSNS等で入手するニュース記事の最も信頼できる提供元として、新聞社が挙げられました。また、厳格な審査基準に照らして掲載される新聞広告は、全広告メディアの中で最も「情報が信頼できる」と評価されました。なお、ネット広告で深刻な問題と思うことをたずねたところ、情報の真偽や誇大表現などが上位に挙げられ、生活者は注意しながらネット広告に接している様子がうかがえます。

◆日本新聞協会について
新聞・通信・放送120社で構成する一般社団法人。会長は中村史郎(なかむら・しろう/朝日新聞社代表取締役会長)。

◆日本新聞協会広告委員会について
日本新聞協会会員新聞社の広告・営業局長63社63人で構成。委員長は渡部秀一(わたなべ・しゅういち/朝日新聞社メディア事業本部アカウントソリューション担当本部長)。

◆「多メディア時代における新聞の役割とメディア接触者の動向調査」について
メディア環境や生活様式の変化を踏まえ、日本新聞協会広告委員会が2017年から行ってきた「新聞オーディエンス調査」を23年度にリニューアルしました。全国の15歳以上79歳以下の1200人を対象に、乗り合い形式の訪問留め置き法で各メディアの接触状況、印象・評価、広告メディアの印象・評価などを調べています。

〈この件に関する問い合わせ先〉

日本新聞協会 広告部広告担当
電話:03-3591-4407  メール:koukoku@pressnet.or.jp

以  上