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特集 リクルーティング広告の展開
2026.03.02

今回の特集は、企業や学校の人材募集での新聞広告の活用を取り上げます。
人材募集で新聞広告を活用することは、幅広いターゲットに対し認知度を高めるだけでなく、企業の事業内容や学校の特長を周知できるなどブランディングの点でも効果的です。最近では地域や業界の働き手減少という課題解決に寄与するための企画も見られます。
本特集ではまず、採用活動の傾向と企業の情報発信における課題などについて、株式会社マイナビの長谷川洋介氏からお話を伺いました。その上で企業(住友理工株式会社)、地方自治体(島根県)、大学(中央大学)から、新聞広告を活用した実例を紹介いただきました。

帰省が増えるお盆休みに掲載 親から子へのアプローチ狙う

島根県
政策企画局広聴広報課課長
岡本 浩美(おかもと・ひろみ)氏

政策企画局広聴広報課課長補佐
高野 成美(こうの・なるみ)氏

政策企画局広聴広報課主任
大庭 都(おおば・みやこ)氏

※2025年12月9日取材

――2021年から実施するUターン促進企画「親のひとことが島根へ帰るきっかけでした」シリーズなどの新聞広告企画について
岡本氏:昨今、島根県をはじめとする地方都市では、人口減少が大きな課題になっています。その解決に向けて、故郷から離れた島根出身の若者にUターン就職を呼び掛けるため、「親から子へのアプローチ」を意識した広告企画を展開しています。

島根で働き、暮らす未来について親子で話すきっかけを作りたいと考え、帰省する方が増えるお盆休みにラッピング広告を掲載しています。県では「島根創生計画」を定めており、「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根」の実現に向けて施策を実施しています。「誰もが、誰かの、たからもの。」というキーフレーズを用いて県内外へのイメージ発信に取り組んでおり、新聞広告でも展開しています。

広告では、懐かしさを感じるような島根の風景を大きく取り入れるようにしています。広告の表面には島根に移住した方の写真と風景を配置し、裏面には親や周囲の方の声をきっかけにUターンした方のインタビュー記事を掲載しています。

「さりげないけど、ほっとかない」というコピーの通り、島根の人のあたたかさや人との関わりを表現しています。普段はなかなか話せなくても、帰省した時にこの広告を見て、島根で暮らす将来について家族で一緒に考える機会にしてもらえたらと思っています。そっと背中を押してくれる家族の存在など、県民の方には広告を通じて島根の良さに気づいていただきたいと考えています。

――新聞広告を活用する理由は
岡本氏:できるだけ多くの方にメッセージを届けるため、さまざまな媒体で広報活動に取り組んでいます。総務省や県が実施する調査結果を参照すると、特に親世代である40代から60代が一定程度、新聞で情報を得ていることから、若い世代にUターン就職を働きかける上で「親と子の会話のきっかけ」が期待できる媒体として、新聞広告を選択しました。

高野氏:リクルーティング広告として考えるとSNSで直接若者に情報を届けることも想定できますが、当企画は多くの方に見ていただける媒体である点、特に親世代に訴求できる点、「親のひとこと」をきっかけにUターンを考えてもらう上で効果的であるという点で、新聞広告が最適だと考えました。

――企画を始めた経緯は
高野氏:新型コロナウイルスの感染拡大で県外への移動が制限されていた2020年と21年には、大型連休の帰省自粛を促す新聞広告を出稿しました(下記①・②)。その後コロナ禍を経て、リモートワークなど場所を問わない柔軟な働き方が浸透したことで、「地元に帰りたい」という意識が若者にも広がりました。島根県ではこうした状況を踏まえ、Uターンを促す広告企画を継続的に展開するようになりました。島根は東西に長く離島もあるので、企画では各地の移住者の事例を紹介するようにしています(下記③・④)。
※紹介した広告企画は以下からご覧いただけます
2020年4月29日付広告 ②2021年4月25日付広告 ③2021年8月14日付、12月30日付広告 ④2023年8月11日付広告

――広告掲載による反響は
岡本氏:島根県政世論調査には「県が行うイメージ発信広報の閲覧、視聴の有無」を尋ねる項目があり、「視聴した広報の種類」として「Uターン・Iターンを呼びかける新聞広告」を見たと回答した方が最も高い割合を占めています。この割合は年々上昇し、令和7年度の調査では約6割の方に認知されています。

また、移住や定住の相談を行う公益財団法人ふるさと島根定住財団でも、この新聞広告を活用いただいています。同財団では「家族が新聞広告を大切に保管していて、帰省した時に見せてもらった」という声も寄せられたようです。

大庭氏:ラッピング広告の裏面にはUターン・Iターンした方のインタビュー記事を掲載しています。紙面で紹介された移住者は、友人や同僚から「新聞広告を見たよ」と声をかけてもらったほか、「涙が出るほど感動した」との感想も寄せられたと聞きました。また、県内の空港に掲出されたポスターを見た方からの反響もあったと聞いています。

――今後の広告展開について
岡本氏:今後もイメージ発信の広報を通じて、島根で生き生きと暮らす方にフォーカスして、島根の良さや魅力が具体的に伝わるような発信をしていきたいと考えています。広告展開によって県民の方が島根の良さを再認識することで、県外の方に島根の魅力を発信してもらうことを目指しています。県内で生活していた時には気づかなかった良さが、県外に出て離れたからこそ分かるとおっしゃる方もいます。

高野氏:広告で使用している「親のひとことが島根に帰るきっかけでした。」というフレーズは控えめな県民の背中をそっと押してくれるきっかけになればと考えています。また、「島根は良いところだな」と気づいてもらいたいという思いもあります。

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