[広告主部門 新聞広告賞]5件(広告主名50音順)
【受賞理由】
家族の温かい団らんが増えるクリスマスを前に、食事中のスマートフォン操作に気を取られコミュニケーションが希薄にならないよう、食卓での会話を促す新聞広告を掲載した。紙面を切り取ってランタンを作り、ライトをつけたスマートフォンに置くことで隠れていたイラストやメッセージが表れるという仕掛けで、自然と会話が促される空間を創出した。北海道のレストラン・カフェ10店舗では、スマホをテーブルに置いてランタンの明かりで食事と会話を楽しむイベントを実施し、テレビ番組やネットニュースで取り上げられSNSでも話題となった。紙の質感を生かし、食を大切にする企業姿勢を斬新な発想で伝えた広告企画として高く評価された。
掲載=2023年12月19日、朝日(北海道)、読売(北海道)に掲載/全45段、カラー
生物多様性沖縄2紙マルチ新聞広告 「わたしたちが、絶滅危惧種になるまえに。」
沖縄セルラー電話株式会社
【受賞理由】
沖縄県の2紙と地元企業が、豊かな自然の価値と保全の大切さを伝えるため、共同で広告企画を展開した。沖縄タイムスは「海」、琉球新報は「陸」をテーマに絶滅危惧種を含む動植物の原寸大のイラストを掲載した。1面から終面にかけて、広告枠を生物の形に合わせ大胆に配置したクリエーティブは、メディアやSNSで取り上げられ、普段新聞に触れない若者の間でも話題になった。紙面の大きさを斬新なアイデアで活用し、読者の好奇心をかきたてながら問題意識を高め、沖縄県の生物多様性を伝えた広告活動として高く評価された。
掲載=2023年9月24日、沖タイ、琉球に掲載/2紙・計23ページに掲載(全15段、二連版全10段など、変型広告、雑報)、カラー
『僕のヒーローアカデミア』シリーズ世界累計発行部数1億部突破記念キャンペーン
株式会社集英社
【受賞理由】
人気漫画『僕のヒーローアカデミア』がシリーズ世界累計発行部数1億部を突破したことを記念し、ファンへの感謝の気持ちを伝える広告活動を7日間かけて実施した。90人以上のキャラクターが集合したビジュアルを初日に全国紙に掲載。47都道府県を6地区に分け、主人公のクラスメートなどが1日ごとに地区を移動し、各地方紙に登場する広告を展開した。最終日には日本一周を終えたキャラクターが再び全国紙に登場した。キャラクターが全国の観光名所や特産品を楽しむクリエーティブは、SNSで大きな反響を呼んだ。全国紙と地方紙を組み合わせ、新聞の訴求力を生かし広範囲に話題を喚起した広告企画として高く評価された。
掲載=2024年4月4日~10日、全国48紙に掲載/二連版全30段、全15段、カラー
【受賞理由】
業務用通信カラオケDAMの販売30周年を記念し、サービス開始以来歌われてきたカラオケランキング上位1000曲の一覧を証券面に見立てた新聞広告を掲載した。株式銘柄のように曲名や歌手、選曲番号、順位を並べるとともに、読者に気付いてもらうため全ページ広告の右下部分に「一曲どうぞ。」というコピーの小枠広告を配置。さまざまな年代の曲があることで世代を超えて誰もが楽しめるようになっており、読者が自分の好きなアーティストの順位をコメント付きでSNSに投稿するなど大きな反響があった。読者になじみある紙面を広告枠のクリエーティブとして活用し、企業ブランディングに貢献した広告企画として高く評価された。
掲載=2024年3月14日、日経に掲載/全15段、カラー
物流の2024年問題意見広告「Sorry Xmas!」
一般社団法人日本物流団体連合会
【受賞理由】
トラックドライバーの時間外労働の上限規制適用に伴い、輸送能力の低下により国民生活や経済活動に大きな影響が発生することが懸念される物流の「2024年問題」を消費者に問い掛ける新聞広告を掲載した。12月26日付紙面にクリスマスまでにプレゼントを届けられなかったサンタクロースが「Sorry Xmas!」と書き換えて謝るクリエーティブで、業界が直面する課題を伝えた。二次元コードから遷移する読者アンケートでは、物流関係者へのねぎらいや人手不足の現状に理解を示す声が多数寄せられた。新聞広告の表現力と日付を指定して掲載できる媒体特性を生かし、深刻な社会問題を分かりやすく伝えた広告活動として高く評価された。
掲載=2023年12月26日、朝日(東京・大阪)に掲載/全15段、カラー
[新聞社企画・マーケティング部門 新聞広告賞]5件(新聞協会会員名簿順)
フェムケアプロジェクト×国際女性デー企画「知るって、やさしい一歩!」
産経新聞東京本社 メディアビジネス局
【受賞理由】
3月8日の国際女性デーを中心に、編集局と連動し女性特有の悩みに関する相互理解を促すプロジェクトを実施した。国際女性デーのシンボルフラワーであるミモザをあしらった紙面を制作し、題字も花の色に合わせて変更した。お互いに背を向ける男女が描かれたラッピング紙面を折ると、2人が向き合い「ぜんぶは、わからなくていいかもね。あなたと私はちがうから」というメッセージが表れるクリエーティブを展開。男性をはじめ読者に広く自分事として捉えてもらうメッセージを発信した。多くの広告主から賛同を得て、SNSやフリーマガジン、イベントと連動し、テレビやラジオで取り上げられるなど大きな反響を呼んだ。新聞社の総合力を結集し、多様な生き方への関心と共感を広げた広告活動として高く評価された。
掲載=2023年6月20日、2024年3月8日/ラッピング全60段、全15段、カラー
【受賞理由】
10月9日「トラックの日」の特集を皮切りに、物流問題に関する理解促進を図る広告企画を展開した。武骨なイメージの運送業や倉庫業などのイメージを払拭するため、柔らかでポップなイラストで物流を表現した全面広告を掲載。インフルエンサーでもある現役女性ドライバー「トラックめいめい」さんを起用した広告展開は、SNSで多くの注目を集め、反響は栃木県外にも及んだ。ほかにも、消費者にとって身近な食や宅配ボックスを取り上げた特集紙面による情報発信、ドライバー向けの「癒やし(フットケア等)」提供、子ども向けの見学・体験イベントを実施。これまで取引がなかった企業からも協賛を得て、物流業界をめぐる現状と課題を県民に伝え、関心を高めた広告企画として高く評価された。
掲載=2023年10月9日、12月5日、2024年1月17日、3月6日、3月28日、4月10日、5月28日、5月31日/全15段×2(表裏)、全15段、カラー
長所県長野県~素晴らしき日々のそばに~
信濃毎日新聞社 マーケティング局
【受賞理由】
創刊150周年を迎え、長野県の魅力を県内外に発信し、再発見してもらうキャンペーンを実施した。読者から募った長野県の長所計150点を、紙面やSNSと連動して発信。寄せられた長所を食用インキで印字した「そば新聞」を限定販売し、わずか1日半で完売する売り場もあるなど、好評を博した。創刊日の7月5日には「視点を変えれば、長所しかない。」のメッセージとともに、判読しづらい長体文字を使用した縦長の見開き広告を制作し、離れて下から読むと「長所県長野県」という文字が浮かび上がるクリエーティブを掲載した。新聞社の企画力と表現力を生かし、協賛社とともに地域への愛着と誇りを高めた広告活動として高く評価された。
掲載=2023年7月5日から10月18日/二連版全30段、雑報、カラー
北日本新聞創刊139周年広告特集 OKANE QUEST
北日本新聞社 メディアビジネス局
【受賞理由】
2024年1月の新NISA制度開始前に、富山県民の金融に関する知識が十分ではないという調査結果を踏まえ、金融リテラシーを高める特集紙面を発行した。往年のロールプレーイングゲームの世界観を想起させるクリエーティブで読者の興味を引き、県民のお金にまつわるデータや専門家へのインタビューを通じて主人公とともに金融知識を高めていく物語を創作。物価高騰や低迷する賃金など全国で抱える問題を取り上げ、幅広い知識を習得できる構成とした。営業活動で使いたいと金融機関から紙面提供の依頼があり、小学校では出前授業の教材として活用されるなど大きな反響を呼んだ。例年の周年企画を上回る協賛を得て、金融教育という難しいテーマを親しみやすく伝えた広告活動として高く評価された。
掲載=2023年8月1日/別刷り(16ページ)、全30段、カラー
岡山たからもん 人のつながり 地域のチカラ
山陽新聞社 営業局
【受賞理由】
2018年7月に未曽有の被害をもたらした西日本豪雨災害から5年の節目に、21年から展開している「岡山たからもん」プロジェクトの一環として、被災地で前向きに生きる人々を紹介する広告企画を実施した。32ページにわたる別刷り特集では、「守った絆、生まれた希望」をテーマに、災害を糧に活躍する12人の歩みを表情が際立つ印象的な写真とともに紹介した。ウェブサイトでは岡山から生まれた防災の取り組みを発信したほか、紙面から抜き取って使える防災ハンドブックの掲載、若年層を意識したシンポジウムの開催など、防災意識の普及に努めた。地域に寄り添う地元新聞社が、多くの協賛社を得て、未来志向で災害の風化防止に取り組んだ広告企画として高く評価された。
掲載=2023年7月6日、9月26日、10月29日、2024年2月3日/別刷り(32ページ)、二連版全30段、カラー