基幹統計の書き換え暴く
朝日新聞社・伊藤嘉孝氏(取材班代表)
国土交通省による基幹統計の不正をめぐる一連のスクープと関連報道
日本新聞協会は9月7日、2022年度の新聞協会賞を朝日新聞社の伊藤嘉孝氏(取材班代表)らに贈ると発表しました。
朝日新聞社は、国土交通省が国内総生産の計算に関わる基幹統計のデータを無断で書き換え、8年前から過大に計上していた事実を2021年12月15日付朝刊で特報しました。
現場の証言を積み重ねる地道な取材で、厚生労働省の統計不正事件発覚後も国交省が不正を続けていた事実や、隠蔽(いんぺい)工作に走った疑いがあることを暴きました。入念に準備された初報が社会に与えた衝撃は大きく、首相が不正を認め、国交相が謝罪するなど、政府が直ちに対応せざるを得ない流れを作りました。
国の政策立案に関わるデータが歪められていたことを明らかにし、行政監視の役割を果たした調査報道として高く評価されました。
<受賞者>

朝日新聞社
統計不正問題取材班
(代表)東京本社編集局編集委員
伊藤嘉孝(いとう・よしたか)氏
(2022年9月8日)