「ウェブ・ファースト」打ち出す――産経新聞、MSと新サイト
産経デジタルとマイクロソフト日本法人は10月1日、「MSN産経ニュース」を開始した。ニュースは産経新聞社が提供。紙とウェブの編集体制を統合し、スクープも紙媒体の発行を待たずウェブに掲載する「ウェブ・ファースト」を目指す。
開設にあたり産経は8月、編集局にウェブ編集長を新設した。4人の編集長が交代で紙面とウェブのニュースを編集する。
9月25日に開かれた記者会見で住田良能(すみだ・ながよし)代表取締役社長は「ウェブ・ファーストを目指す」と表明。「紙かネットか二者択一の議論ではなく、ネット時代に報道機関としての使命を果たしたい」と話した。「ネットと紙の間にある高く厚い壁を壊し、取材記者の意識改革を加速させたい」とも述べた。速報性に加え、質・量とも充実した「ウェブ・パーフェクト」を志向するという。
産経デジタルの阿部雅美(あべ・まさみ)代表取締役社長は事件報道で障害があるときなどを除き「ウェブ・ファースト」を実施していきたいと述べた。
サイトは、利用者の関心が高いニュースを「トピックス」として掲載する。事件や話題など200以上のトピックスを設け、関連情報やリンクを集約する。
産経デジタルの近藤哲司(こんどう・てつじ)取締役は「記事の掲載期間を2か月から原則6か月に延長する」と述べた。一部の記事には掲載期限を設けない。重大事件の判決文や、政治家の会見内容を全文掲載することもあるとした。
ウェブ用書き下ろし連載「インターネットが変えたもの」「記者は見た 世紀の事件」も10月1日からスタートさせた。一部は後日、産経の紙面で掲載する。
毎日新聞が新サイト「毎日jp」――信頼のオープンサイト」目指す
毎日新聞社は10月1日、総合情報サイト「毎日jp」をスタートさせた。ヤフーやリクルートが出資するネット会社オールアバウトと提携し、ニュース報道に加え、暮らしに役立つ情報を豊富に盛り込む。「開かれたサイト」を目指し、著名なブロガーらとの連携も強化するとしている。
9月18日の記者会見で、朝比奈豊(あさひな・ゆたか)常務取締役は「MSNと提携した3年半で、多くのことを学んだ。更に自由で多様な情報提供をし、信頼のオープンサイトを目指したい」と語った。
毎日jpは、情報を「ニュースセレクト」「エンターテインメント」「ライフスタイル」の3つに分類し表示する。幅広い分野からお勧めのブログを紹介するほか、ブロガーらの参加協力も求めていく。広告面では、オールアバウトと協力するという。
9月末までマイクロソフト日本法人と提携し、運営していた「MSN毎日インタラクティブ」は、ページビュー(PV)が月間3〜4億に上ったという。提携解消でPVの半減が見込まれるものの、2年間で現在の水準に戻したいとしている。