新聞について聞きました!著名人インタビュー

英国文化に根付く軽減税率 2014年4月

高田万由子・タレント

 バイオリニストの夫の仕事の都合で、長女(14)、長男(7)とともに6年半前からロンドンで生活を送る。頻繁に東京とロンドンを行き来する忙しい日々だ。

 イギリスでは、日本の消費税に当たる付加価値税(VAT)の標準税率が20%と高い。だが、生活に不可欠な食料品や子供の衣料品などは課税されない。「子供服がとにかく安い。娘は大人の服を欲しがるけど、税率が違う。『似ているから(子供コーナーの)こっちにしてよ』と言ったこともあります」と笑う。

 ミネラルウオーターやジュースは標準税率だが、「水は水道で飲める。ジュースが欲しいなら税率0%のオレンジを搾ればいいという考えなんだと思う。理由が理路整然としていて、非常にわかりやすい」。イギリス人の生活に欠かせない紅茶は0%。「紅茶に必要なミルクやビスケットも同じ。これでイギリス人は納得するんですよ」。

 軽減税率は、品目ごとに低くする税率を区分する。日本では「複雑になる」と、導入に反対の声もある。だが、高田さんはそう思わない。「例えば日本は緑茶の国だから、『和菓子はOKでケーキはダメ』でいいと思うんです。何が必要かは、わりとすぐに答えが出ると思う。お店は大変だと思いますが」。

 日本の消費税は安いと感じているが、さらに上がるならば、軽減税率の導入に賛成だ。イギリスの低所得者は、買う品さえ選べばVATを支払わなくても生活できる。こうした制度には、国の文化が根付いていると思うことが多い。

 最初にイギリスに行った時のこと。長蛇の列になっていた入管の受付に、1歳だった息子を抱きながら並んでいた。すると、近づいてきた職員が先頭まで案内してくれ、感動した。

 バスや電車では、「モヒカン刈りの若者でも、お年寄りにサッと席を譲る。バスの運転手は最初にまず障害者を乗せます」。障害者やお年寄り、子供らに優しく接する精神が日本よりも強く根付いていると実感する。「そんな文化がVATに反映されている気がするんですよね。日本人も見習えば、自然と税率を下げることに納得できるんじゃないかと思います」。

 「知識に課税しない」という姿勢のイギリスでは、新聞や書籍などへのVATは0%だ。幼い頃から新聞を愛読してきた高田さん。「新聞などは国民の知識を豊かにする上で必要不可欠。税金のせいで買えなくなるのは公平ではない。日本も手本にすべきだと思います」。

高田万由子(たかた・まゆこ)
高田万由子(たかた・まゆこ)1971年東京都生まれ。94年東大文学部卒。大学在学中に週刊朝日の表紙を飾り、以後テレビ、映画などで活躍。エッセーや絵本の翻訳もこなし、活動は多彩だ。夫はバイオリニストの葉加瀬太郎さん(46)。