新聞の公共性と役割

民主主義を支える基盤

 民主主義の主役は国民です。国民が国の針路について的確な判断を下すには、正確で信頼できるニュースや知識を、誰もがいつでも手軽に入手できる環境が何よりも大切です。

新聞が消えた街アメリカの教訓

 地元の新聞が休刊となったアメリカ・カリフォルニア州のベル市では、行政官の給料が、大統領の2倍の年額約6400万円になっていました。長い間、ベル市を取材する記者がおらず、ロサンゼルス・タイムズが報じるまで、行政官たちが給料を引き上げていたことに誰も気づきませんでした。

地域に届ける毛細血管

 新聞販売所は毎日決まった時間に、全国各地の家庭や会社に新聞を配達しています。販売所が届けているのは、それだけではありません。一人暮らしのお年寄りを見守ったり、防犯ネットワークに協力したりするなど、地域に安心や安全を届けています。

被災地を励ます「ライフライン」

 東日本大震災では、停電し孤立した地域にも新聞を届けようと努めました。被災者からは、「こんな時にも配達されたことが励みになった」といった声が多く寄せられました。

次世代を育てる生きた教材

 新聞は、社会の今を知り、読み解く力をつけられる「生きた教材」です。日本は資源に乏しい国です。国際社会で一定の地位を維持していくには、リテラシー(読み書き能力、読み解く力、教養や常識)の高い人を育てていくことが不可欠です。

ネット時代の中核(ハブ)メディア

 ネット時代だからこそ、新聞の「中核(ハブ)メディア」としての役割は高まっています。あふれる情報を整理して伝える新聞に触れることで、ものごとの関係性への理解が自然と深まります。また、ネット上での信頼できる情報の大半は、新聞社の報道がもとになっています。