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試合後に見せる表情に集中 毎日・手塚氏 ニュースパークで報道写真展講演会

五輪、企画取材振り返る

 ニュースパーク(新聞博物館)は2月2日、企画展「2018年報道写真展」に合わせて記者講演会を開いた。宮崎瑞穂(産経東京)、手塚耕一郎(毎日東京)の両記者が取材時の狙いやエピソードを話した。平昌冬季五輪でフィギュアスケートを取材した手塚記者は、演技終了後に選手が感情を表す瞬間を捉えることが重要だと語った。

 手塚記者は、フリープログラムの演技を終えた羽生結弦選手が両目を固く閉じ、傷めていた右足に手を当てる場面を写した。写真は企画展でパネル展示されている。

 動きが激しい演技中よりも「演技を終えた後の方が撮影は難しい」と手塚氏。演技の動きは決まっているが、演技後にどんな表情を見せるかは分からないからだという。「人生を懸けて大会に臨む選手の思いが一番表情に出るのは演技後。その瞬間をいかに切り取れるかが重要だ」と話した。映像の撮影技術が発達する中でも、一瞬を切り取る写真は「感情表現に最も適したメディアだ」と語った。

 宮崎記者は、復興へと向かう被災地を写し、東京写真記者協会賞グランプリを獲得した「復興の色 東日本大震災から7年」について語った。岩手県陸前高田市では、全長923メートルの防潮堤の大きさを伝えるため人が堤防の上で作業する瞬間を狙った。作業員がなかなか登らず、建設現場に5日通ったと振り返った。

(2019年2月2日)

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