日刊紙の土曜郵送維持を 「休止は公共情報入手に支障」 新聞協会、政府に意見書
日本郵便が土曜日の配達休止を要望している問題で、新聞協会販売委員会は3月22日、日刊紙の土曜配達維持を求める意見書を総務省に提出した。意見募集に応じた。
新聞の戸別配達は、日本郵便のユニバーサルサービスにも支えられているとし「土曜配達が休止されれば地域や政治、社会、経済などの公共的情報の入手が遅れ、多くの読者に不便を強いる」と訴えた。新聞界は戸別配達制度を維持してきたものの、新聞社や販売所の経営努力にも限界があり、中山間部や離島など一部地域で1日当たり少なくとも3万部の新聞が郵送されていると伝えた。
第三種郵便の承認を受けた新聞は選挙について自由に論評できるなど、既存の法律や制度で公共的役割が認められていると指摘。「日刊紙の土曜配達に特別な措置を講じることは、他の制度と比べても何ら矛盾は生じない」と述べた。
人員確保や働き方改革など日本郵便側の事情には理解を示した。その上で「社会、文化への影響を含め多角的な観点から日刊紙の土曜配達への適切な対応策を議論してほしい」と訴えた。
総務省の郵便局活性化委員会は8日に公表した論点整理案で、土曜配達休止の影響を大きく受ける事例に日刊紙を挙げた。意見書では「新聞が社会で果たす役割や土曜配達継続の必要性が理解された」と評価した。
(2019年3月22日)