防衛施設の小型機飛行 禁止指定は最小限に 編集委、防衛相に意見書
新聞協会編集委員会は6月6日、改正小型無人機(ドローン)等飛行禁止法の運用に関し、防衛施設の飛行禁止指定を必要最小限にとどめるよう求める意見書を岩屋毅防衛相宛てに提出した。飛行禁止指定の基準を作り公表するよう要望した。井口哲也代表幹事(日経)が原田憲治防衛副大臣に手渡した。原田氏は「改正法は取材制限を意図したものではないが、報道側の懸念は理解した。要望は大臣にもしっかり伝えたい」と応じた。
5月17日に成立した改正法は、現行法で飛行禁止としている国の重要施設や外国公館などの周辺300メートル内に加え、自衛隊や米軍の関連施設とその周辺上空の飛行も禁じた。防衛省によると、米軍関連では海上も飛行禁止区域に指定される可能性がある。対象の防衛関連施設は防衛相が指定する。
意見書は、沖縄の米軍基地問題を巡る取材を例に挙げ、米軍側が基地内外の事件・事故現場の撮影を認めたがらない傾向が強いと指摘。改正法成立を機に、過度な取材規制が多発する懸念が払拭できないと訴えた。
その上で、飛行の可否に関する判断基準を設け公表するよう求めた。正当な取材目的にもかかわらず飛行に同意しない場合は、その理由を申請した報道機関に説明するよう求めた。
改正法案の国会審議では、衆参の内閣委員会が飛行を禁じる施設を必要な範囲とし、国民の知る権利や取材・報道の自由を尊重するよう求める付帯決議を採択した。
意見書では、米軍関連施設の管理者にこの付帯決議に同意させるよう併せて要望した。
改正ドローン飛行禁止法は13日施行される。
要望書はこちら。
(2019年6月6日)