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輸送車両の安全確保課題 災害対策委、台風19号の調査報告【理事会】

 第858回理事会は11月20日、事務局会議室で開かれ、台風19号の事前対策と被害、今後の課題に関する災害対策特別委員会の調査報告を了承した。新聞輸送の安全確保のため、衛星利用測位システム(GPS)によるトラックの位置情報の把握や、道路の冠水状況の周知などが必要だとする回答が寄せられた。調査結果は販売、技術、資材など各委員会に伝える。

 台風19号では各地が記録的な豪雨に見舞われた。災害対策特別委の集計によると、5社が10月12日付紙面の輸送を一部断念した。13日付は14社が一部地域への輸送を見合わせた。

 輸送面での課題について「降版時間を繰り下げて災害が落ち着いてからの配送を検討すべきだ」と回答した社もあった。輸送中止、配達中止の判断基準を発行本社、販売所、輸送業者の間で共有する体制作りが必要だとの意見も出ている。

 静岡は今年9月、災害時の配達実施に関する指針を策定。これに沿って各販売所が配達の可否を判断した。信濃毎日は、避難勧告以上の警戒レベルとなった地区については「行政等の指示に従って行動し、無理な配達をせず、安全最優先を」と事前に通知した。この他にも多くの社が、安全確保を最優先するよう販売所に呼び掛けた。

 調査票を送った69社のうち、57社が回答した。災害対策特別委の一力雅彦委員長(河北)は「巨大台風や豪雨が常態化し、また激甚化している。新たな対策が急務だ。安全管理の精度を高める必要がある」と述べた。

(2019年11月20日)

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