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《新聞社の経営関連調査》広告収入の構成比2割切る

総売上高は1兆6619億円  

 新聞協会経理委員会はこのほど、経営関連の各調査結果をまとめた。新聞91社(法人単位・スポーツ紙含む)の回答から推計した2018年度の総売上高は、前年度比(以下同)2.9%減の1兆6619億円だった。販売、広告ともに減収が続いている。広告収入の構成比率は19.9%。1975年の調査開始以来、初めて2割を切った。

 総売上高は7年連続の減少。販売収入は4.0%減の9502億円、広告収入は6.6%減の3314億円だった。出版、受託印刷、事業などの営業収入のほか、営業外収入、特別利益を含む「その他収入」は3.5%増の3803億円となった。「その他」は6年続けて前年を上回った。

 構成比率で見ると、販売が57.2%(0.6ポイント減)、広告は19.9%(0.8ポイント減)。「その他」は22.9%(1.4ポイント増)だった。

 集計は各社の決算書に基づく。決算書未提出の社については同規模社の平均値などから推計した。

デジタルの割合 一般紙平均1.4%

 一般紙の18年度売上高に占めるデジタル関連事業収入の割合は、61社の平均で1.439%だった。前年度比(以下同)0.243ポイント増で、調査を始めた16年度以降伸び続けている。スポーツ4紙の平均は8.809%(1.977ポイント増)だった。

 分布を見ると「0.1%以上0.5%未満」が21社、「1%以上5%未満」が18社。「0.5%以上1%未満」11社、「0.1%未満」9社、「10%以上」2社だった。

 スポーツ紙の内訳は「5%以上10%未満」が2社、「10%以上」「1%以上5%未満」は各1社だった。

 日刊新聞88社のうち71社が回答した。デジタル事業収入に含める売り上げの分類や算出方法は各社の基準による。

各利益段階で減益 経営動向

 新聞40社を固定サンプルとした経営動向調査では、総売上高は前期比(以下同)3.3%減。現行の集計方式になった14年度から5期続けて減少した。経費や人件費などを圧縮したものの、減収幅が上回り、営業利益は7.4%減となった。経常、最終の段階でも減益となった。

 18年度中(18年4月~19年3月)に期末を迎えた40社の決算を集計した。売上高の合計は1兆3308億8400万円。販売収入は4.1%減、広告収入は7.3%減。その他営業収入は3.2%増だった。

 営業費用は3.1%減の1兆2960億9800万円。内訳を見ると、構成比が最も大きい経費が2.9%減、2番目の人件費が1.5%減だった。用紙費は7.3%減、資材費は6.3%減。

 経常利益は5.2%減、純利益は12.3%減だった。営業、経常、最終の各段階で減益となるのは2年ぶり。

 収益動向を見ると、売上高営業利益率は2.61%で、0.12ポイント悪化した。売上高経常利益率は3.69%(前期3.76%)、売上高当期純利益率は2.21%(同2.44%)だった。総合的な収益力を示す総資本経常利益率は0.12ポイント悪化し1.98%となった。  

 借入金は短期が1.3%減、長期は4.3%減だった。借金への依存度を表す借入金対年商比率は20.87%で、0.06ポイント下がった。

 資本金は180億7千万円で増減無し。利益余剰金は2.5%増の1兆1086億5900万円だった。純資産は1.8%増の1兆3053億1400万円。自己資本比率は52.62%で、0.69ポイント上昇した。

収支比率97.1%

 一般紙51社の回答を集計した収支構成比率調査の結果によると、総収入は前年度比(以下同)2.6%減だった。減少は6年連続。総費用は2.5%減だった。収支比率は97.1%で、0.2ポイント悪化した。集計対象55社のうち、業績好転社は前年度と同じ24社だった。

 【収入動向】販売、広告、その他の収入を合わせた売上高は2.6%減だった。販売収入は2.3%減、広告収入は4.1%減。その他営業収入は0.9%減で、4年ぶりに減少に転じた。販売収入と広告収入の合計を100とした構成比率は、販売69.4対広告30.6となった。

 【費用動向】営業費用は1.8%減。15年続けて縮小している。内訳は構成比率が大きい順に、経費が1.1%減、人件費は1.4%減。用紙費が4.3%減、資材費は6.7%減。営業外費用は14.1%減。

 【収益動向】当期利益の変化を見ると、業績が好転した社は24社。内訳は増益22社、復益2社だった。悪化したのは31社。内訳は減益26社、欠損転落2社、欠損増3社だった。  協会会員新聞社の収入、費用の増減と構成比を調べた。対象87社中58社が回答した。

付加価値率0.2ポイント縮小

 一般紙55社の付加価値率は平均で売上高比42.0%だった。前年度から(以下同)0.2ポイント縮小した。付加価値に占める人件費の割合(労働分配率)は2.4ポイント増の75.7%だった。

 付加価値は、企業が事業を通じ新たに生み出した価値を表す。税引き前経常利益、人件費、純金融費用、賃借料、租税公課、減価償却費を合計し算出する。売上高に占める割合が最も高い人件費は31.6%。0.6ポイント増えた。

 セット紙23社の付加価値率は平均39.4%、朝刊または夕刊単独紙32社の平均は43.8%。スポーツ3社の平均は32.6%だった。  会員新聞社87社中60社が回答した。

(2019年11月26日)

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