配達員の兼業先に目配り 新型コロナ対策調査結果 販売委
新聞協会販売委員会がこのほど公表した新型コロナウイルス対策に関するアンケート結果によると、各社は感染防止のため、販売局員を出社組と在宅勤務組の2班に分けるなどの対策を取っている。感染者が出た際、全員が自宅待機となることを防ぐ狙い。販売所に対しては、配達員の兼業先の感染状況についても把握するよう要請している。
調査は4月に実施した。販売委員会加盟59社に感染防止策、感染者が出た場合の対応などを尋ねた。45社が回答した。
販売局員を2班に分割するだけでなく、勤務場所や使うエレベーターを分けている社もあった。感染者が出た場合に備え、仮想専用線(VPN)などを敷き社外で部数管理・請求などの内勤業務ができるようにしている社もある。
各社はまた、販売所従業員に感染の疑いがあれば速やかに担当員に報告するよう義務付けている。訪問営業を自粛している系統や、購読料の自動振替、クレジットカード払いを勧める折り込みチラシを配った系統もある。
販売所での新聞の受け渡しに際しても、接触機会を減らすための工夫が進んでいる。配達員宅に持ち部数を届けて店舗での密集を避けている販売所や、戸外の中継地点を決めて新聞を引き渡している店がある。
本社が販売所にマスク、消毒用アルコールを届けた例も報告された。系統会でマスク、消毒液を一括購入したとの回答もあった。
輸送会社に対し、運転手が複数の車両を乗り回さないよう要請しているとの回答も寄せられた。
(2020年5月12日)