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報道、教育、教養に集中を NHK中期経営計画案に意見 メディア開発委

 新聞協会メディア開発委員会は9月2日、NHKに対し、報道や教育・教養分野に経営資源を集中すべきだとする意見書を提出した。2021~23年度の中期経営計画案は限定的な費用削減にとどまり「抜本的改革に踏み込んでいない」と指摘。重点分野を定めることで業務の改廃が検討でき、適正な受信料水準がはじき出せるとの考えを示した。放送の補完であるインターネット事業については抑制的な運営を続けるよう求めた。

 NHKの計画案は、内容が重複する番組の整理や受信料徴収の営業経費削減などにより、費用を3年間で計500億円削減するとしている。メディア開発委は意見書で、既存業務の経費圧縮にとどまらず、公共放送として担う事業を絞り込むべきだと主張した。

 総合テレビでよく見られている上位10番組のうち7本がニュースだったとの調査結果(19年NHK調べ)を踏まえ、報道や教育・教養番組の構成比率を高めるよう提案した。他ジャンルの番組制作費抑制につながると指摘した。

 ネット事業については、NHKがうたう「費用の抑制的管理」の方法を具体的に示すよう求めた。計画案の発表会見で、前田晃伸会長がネット事業費の枠(受信料収入の2.5%まで)を外したい意向を示したことを受け「野放図な拡大を危惧する」と訴えた。

 全国に拠点を持つNHKが地域情報のネット報道を本格化させれば、全国紙だけでなく地方紙にも影響が及ぶとの懸念も伝えた。民間のサービスとの共存を念頭に置くよう求めた。

 また子会社が担う電子看板へのニュース配信や自治体のイベント受託などは、NHKが担うべき業務範囲を逸脱していると指摘。第三者を交えて事業を整理するよう求めた。より公平で低廉な受信料制度についての検討も要望した。

 意見書全文はこちら

(2020年9月2日)

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