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《新聞社の経営関連調査》その他収入が11.5%増 総売上高1兆6526億円

 新聞協会経理委員会はこのほど、経営関連の各調査結果をまとめた。新聞91社(法人単位・スポーツ紙含む)の回答から推計した2019年度の総売上高は前年度比(以下同)0.6%減の1兆6526億円だった。販売収入、広告収入の減少が続く中、「その他収入」は11.5%増。総売上高に占める割合は25.7%に達した。

デジタルの割合一般紙平均1.6%

 一般紙の19年度売上高に占めるデジタル関連事業収入の割合は、一般紙61社の平均で1.630%だった。前年度比(以下同)0.26ポイント増で、16年度の調査開始以降、3期連続で伸びた。スポーツ4紙の平均は10.856%で2.047ポイント増。初めて10%を超えた。

 一般紙の回答の分布を見ると、「0.1%以上0.5%未満」が22社、「1%以上5%未満」が19社。「0.5%以上1%未満」が12社、「0.1%未満」が6社、「10%以上」が2社だった。

 スポーツ紙の内訳は「5%以上10%未満」が2社、「10%以上」が2社だった。

 日刊新聞88社のうち、69社が回答した。デジタル事業収入に含める売り上げの分類や算出方法は各社の基準による。

営業、経常減益 経営動向

 新聞39社を固定サンプルとした経営動向調査では、売上高は前年度比(以下同)2.6%減。販売、広告両収入ともに前年度から減少した。各段階の利益動向を見ると、営業利益が25.6%減、経常利益は15.0%減。不動産売却益などで特別利益が307.2%増、特別損失が82.1%増となった結果、当期純利益は24.8%増だった。

 19年度中(19年4月~20年3月)に期末を迎えた39社の決算を集計した。売上高の合計は1兆2948億6700万円。販売収入が3.5%減、広告収入は7.2%減。「その他営業収入」は4.1%増だった。

 営業費用は1.9%減の1兆2687億3600万円だった。経費(1.3%減)、人件費(1.8%減)、用紙費(4.9%減)、資材費(6.8%減)のいずれも減少した。

 収益動向は、売上高営業利益率が2.02%(0.62ポイント悪化)、売上高経常利益率は3.24%(0.48ポイント悪化)だった。売上高当期純利益率は2.88%(0.63ポイント改善)だった。総合的な収益力を示す総資本経常利益率は1.71%となり、0.28ポイント悪化した。

 借入金は短期が24.3%増、長期が3.8%減だった。借金への依存度を表す借入金対年商比率は22.23%で1.35ポイント上がった。

 資本金は177億6700万円で1.1%減。利益剰余金は3.3%増の1兆1454億1100万円。総資産は1.0%増の1兆3189億1800万円。自己資本比率は53.62%で0.97ポイント上昇した。

収支比率97.4%

 一般紙52社の回答を集計した収支構成比率調査の結果によると、総収入は前年度比(以下同)0.2%減だった。減少は7年連続。総費用は0.0%減。収支比率は97.4%で0.3ポイント悪化した。

 業績好転社は前年度より4社増え、28社だった。内訳は増益25社、復益3社。悪化したのは27社だった。前年度より4社減った。内訳は減益20社、欠損転落6社、欠損増1社。

 調査対象87社中、58社が回答した。

付加価値率0.2ポイント縮小

 一般紙54社の付加価値率は平均で売上高比42.0%だった。前年度比(以下同)で0.2ポイント減少した。付加価値に占める人件費の割合(労働分配率)は73.0%で1.5ポイント縮小した。

 付加価値は、企業が事業を通じ新たに生み出した価値を示す。税引き前経常利益、人件費、純金融費用、賃借料、租税公課、減価償却費を合計し算出する。売上高に占める割合が最も高い人件費は30.7%で、0.6ポイント縮小。セット紙23社の付加価値率は平均38.8%、単独紙31社の平均は44.5%。スポーツ紙3社の平均は32.4%だった。

 調査対象87社中、58社が回答した。

(2020年10月13日)

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