女性従業員、初の2割超 <新聞・通信社従業員数調査>
退職者は9年ぶり2千人に
新聞協会経営業務部がこのほどまとめた2020年度「従業員数・労務構成調査」の結果によると、新聞・通信社の女性従業員の割合は20.6%で、初めて2割を超えた。記者に占める女性の割合は前年比(以下同)0.7ポイント増の22.2%。6年連続で増えた。退職者数は9年ぶりに2千人を超えた。
新聞・通信97社が4月1日現在の従業員数について答えた。従業員には社員、嘱託(無期雇用)、出向者、長欠者、休職者を含む。役員、定年後再雇用者、嘱託(有期雇用)、派遣労働者、アルバイト、パートは別途集計した。
【従業員総数】回答97社の従業員総数は3万7520人だった。このうち女性は7743人。構成比は男性79.4%、女性20.6%だった。従業員数が最も多かった1992年の6万7356人(回答108社)と比べると、44.3%減っている。
【部門別従業員数・構成】95社が回答した。「編集」が最も多く1万9502人。構成比は52.3%(0.2ポイント減)。このうち記者は1万7685人だった。女性記者は3929人。
このほかの部門の構成比は「営業」が15.6%(0.2ポイント増)、「統括・管理」が8.6%(増減無し)、「製作・印刷・発送」は7.0%(0.3ポイント減)だった。「出版・事業」が3.5%(0.1ポイント減)、「電子メディア」が3.6%(増減無し)、「その他」は9.3%(増減無し)。
【年齢別構成】91社が回答した。40、50代で全体の3分の2を占める。構成比率をみると、50代が35.1%(0.8ポイント増)、40代は32.3%(0.7ポイント減)。若年層では30代が18.2%(0.6ポイント減)。20代は12.8%(0.3ポイント増)で5年連続で増えた。
【管理職者数・構成】回答92社の管理的職業従事者は7479人だった。このうち女性は597人。女性の割合は0.5ポイント減の8.0%だった。
デスクやキャップなど社内で指導・教育的立場にある従業員を含む「広義の管理職」は1万3287人。このうち女性は1139人。女性の割合は8.6%で増減はなかった。
【役員数・構成】93社が回答した。会社法上の役員は735人。うち女性は28人で、女性役員の割合は0.3ポイント増の3.8%。執行役員を含む「広義の役員」は954人で、女性は52人だった。女性の割合は0.8ポイント増の5.5%だった。
【採用者数】回答93社のうち、19年4月2日から1年間に新規採用したのは85社。採用総数は1044人。このうち女性は448人で、女性の割合は1.7ポイント増の42.9%だった。部門別では「編集」が617人で全体の59.1%を占める。従業員総数に占める新規雇用者の割合は0.3ポイント増の2.8%となった。
【退職者数】回答93社の19年4月1日から1年間の退職者数(定年後再雇用者を含む)は2093人。うち82.3%が男性だった。在籍従業員数に対する退職者数の割合は1.4ポイント増の5.6%で2年続けて増加した。
【定年後再雇用者数】回答93社のうち、83社が計2831人を定年後再雇用している。総数は5.6%増えた。男性が94.1%を占める。19年4月2日からの1年間では575人を再雇用した。
【アルバイト、パート、派遣労働者数】回答92社のうち、90社がアルバイト、パート、派遣労働者を雇っている。総数は9.2%増の6948人。うち女性が62.9%を占める。回答社の従業員総数にアルバイト、パート、派遣労働者数を足した実働従業員数に対するアルバイトなどの割合は1.5ポイント増の15.8%だった。
【障害者雇用数】回答93社のうち、78社が計677人の障害者を雇用している。総数は1.7%増えた。
(2020年10月27日)