一層の営業マナー向上必要 試読紙戸配回数拡大を報告 公取協議会総会
新聞公正取引協議会は11月19日、第20回会員総会をプレスセンターホールで開いた。渡辺雅隆会長(朝日)は「公正競争規約の順守と共に、営業のマナー向上に一層取り組まなければならない」とあいさつした。試読紙の戸別配布回数を最大で月14回とする公正競争規約施行規則改正案が承認されたとの報告があった。
施行規則改正は、消費者が購読を検討する期間をより長く確保し、合理的な選択ができるようにすることが狙い。規約を所管する消費者庁と公正取引委員会が17日に承認した。新たな規則は同日、施行された。
全国の消費生活センターなどに寄せられる訪問販売に関する相談のうち、新聞関連は商品別で最も多い。渡辺会長は「相談件数は大幅に減少を続けており、新聞界の自主的な対応は着実に成果を上げている」と説明。その上で「さらなる努力が求められる」と戒めた。
熊本県玉名市などでステッカーによる訪問販売の一律規制が導入されたことにも言及した。各自治体でこうした動きが止まっていないと指摘。健全な営業活動をしている新聞事業者が排除されることのないよう主張を続ける必要があると話した。
新聞公正取引協議委員会(中央協)の佐熊龍治委員長(日経)は「各社・各系統で公正販売をさらに推進し、消費者の信頼をより向上させるための努力をお願いしたい」と呼び掛けた。消費者とのトラブルは業界の自助努力で解決できるとし、販売マナーの一層の向上と苦情相談への適切な対応が求められると語った。
来賓として消費者庁の片桐一幸審議官があいさつした。
議事では2019年度の会計報告、20年度予算案などを了承した。
(2020年11月19日)