正確な情報で「安心」に寄与 神戸市で新聞大会 決議採択
新聞協会は11月26日、第73回新聞大会を神戸市の神戸ポートピアホテルで開いた。新聞協会賞が6件6人、新聞経営賞は1件1人に贈られた。新型コロナウイルス禍で信頼性の高い情報が求められる今こそ、正確で公正な報道を通じ「国民の安心・安全な生活に寄与し、公共的な使命を果たす」との決議を採択。研究座談会は「コロナ禍と新聞編集、新聞経営上の課題」をテーマに議論した。
開催地の神戸・高梨柳太郎代表取締役社長はあいさつで、コロナ禍の社会では「人と人をつなぐ新聞の役割がこれまで以上に大事になる。正確な情報や多様な価値観を伝える新聞の真価が問われている」と述べた。阪神・淡路大震災から25年がたち「神戸の街は都市再整備など次のステージに移ろうとしている」と紹介。近年は各地で想定外の災害が起こるようになったとし、新聞社間の連携の必要性も強調した。
新聞協会の山口寿一会長(読売)は「大会を通じて、新聞が今の危機をどのように乗り越えるか情報を共有し、コロナ禍の先にある新たな時代の新聞の使命と役割を考えたい」とあいさつした。
記念講演は元プロ野球選手のイチロー氏。プロ選手になった当初、番記者と親しくする先輩に違和感を覚えたと振り返り、選手と記者は「緊張感を保ち、お互いを高められる関係が理想形だ」と語った。フジテレビの三田友梨佳アナウンサーが聞き手を務めた。
新聞協会会員社幹部ら約300人が参加した。席の間隔を空けるなど新型ウイルス感染対策を講じて開催した。会員各社には参加人数を7割程度に抑えるように呼び掛けた。神戸市での開催は15年ぶり3回目。
新聞大会決議はこちら。
山口会長のあいさつ全文はこちら。
(2020年11月26日)