新聞で概観 ネットで深掘り 子育て中の起業家、情報活用法語る 新聞協会オンラインイベント
新聞協会は3月26日、子育て中の起業経験者が新聞を使った情報活用法を語るオンラインイベントを開いた。有機食品の販売会社「ブラウンシュガーファースト」(東京都千代田区)の荻野みどり代表は、新聞の強みに情報の幅広さと正確性を挙げた。インターネットでの情報接触は自分の属性や好みに偏るとし「新聞で全体を見渡し、気になった話題はネットでさらに調べるという順番がしっくりくる」と述べた。娘と一緒に新聞を読み、子供が関心のある分野を知ることもできると話した。
装花の企画販売などを手掛ける「スードリー」(横浜市)の前田有紀代表は、妊娠・出産後に新聞との向き合い方が変わったと話す。社会人になって間もない頃は新聞を読んでも「どこか人ごとだった」が、出産を経て「自分に向けて書いてある記事」に出合えるようになり、読むことが楽しくなったという。
進行役を務めた共同・社会部の山脇絵里子副部長は「新聞には社会を変えるヒントが載っていると知ってほしい」と述べた。子供と出掛ける時、ベビーカーをたたんで乗車するよう呼び掛ける駅の張り紙に不便さを感じ、全国の鉄道会社へのアンケートを踏まえ記事で問題提起したことを紹介。報道後に張り紙を外した社があったという。読者から寄せられた疑問を取材に役立てる地方紙の「オンデマンド報道」の試みも説明した。
イベントの様子は、東京都の創業支援施設から生配信システム・Zoom(ズーム)などで配信した。写真共有アプリ・インスタグラムなどでの録画配信と合わせ、4月5日午後2時までの視聴回数は延べ808回だった。
(2021年3月26日)