消防空域での取材容認を 災害時ドローン規制巡り意見 国交省に新聞協会
新聞協会は4月9日、災害時の人命救助や消火に当たるヘリコプターの飛行空域で小型無人機(ドローン)を飛ばせないようにする航空法施行規則の改正案に対し、報道機の飛行を認めるよう求める意見書を国土交通省に提出しました。災害時のドローン取材は「実情を素早く伝え、被災地支援や再発防止への意識を高める重要な意義がある」と指摘。報道の公益性を踏まえ、全ての機体を一律に規制する案を見直すよう求めました。国交省の意見募集に応じました。
国交省は3月、消防や警察の救助、消火用ヘリの飛行区域を「緊急用務空域」とし、国交相がドローンの飛行禁止区域に指定できるとした省令改正案を示しました。2月下旬に栃木県で起きた山火事で、消火活動中のヘリの飛行がドローンに妨げられたことがあったためだといいます。
新聞協会は、飛行禁止空域が拡大すれば「ドローン取材が大きく制限され、国民の知る権利が損なわれる」との懸念を示しました。飛行禁止区域の範囲や期間は必要最小限に限ることや、飛行時の申請を簡便にすることも要望しました。
(2021年4月9日)