電波入札、慎重な検討を 総務省に意見 メディア開発委員会
新聞協会メディア開発委員会は8月2日、電波の利用権を入札で割り当てる「オークション制度」の導入を検討する総務省に対し、放送用帯域に適用されれば国民の知る権利を損なうことにつながるとして、慎重な検討を求める意見書を提出しました。オークション制度は「過当な価格競争を引き起こす可能性がある」と指摘。小規模な放送事業者が応札できず、言論の多様性を損なう恐れがあると訴えました。
総務省の意見募集に応じました。同省の有識者会議が先月まとめた報告書案で、オークション制度については海外の動向も踏まえ、引き続き検討するとしていました。メディア開発委員会は、電波の経済的価値を重視する手法への懸念は各方面から相次いでいると指摘。「真に国民の利益にかなう制度」となるよう幅広い観点からの議論を要望しました。
放送事業者などが支払う来年度以降の電波使用料については「料額の継続性や安定性、事業者規模に配慮した検討を求めたい」と記しました。報告書案で、研究開発などに充てる電波利用料の歳出を現行の規模にとどめることが適当だとした点は「妥当だ」と評しました。
意見書の全文はこちらでご覧いただけます。
(2021年8月2日)