読み方解説は購読への一歩 NIBセミナーで日本経済新聞社・山野茂樹氏
新聞協会は9月28日、NIB(ビジネスに新聞を)セミナーをオンラインで開きました。有料のNIB講座を開く新聞3社に話を聞きました。企業向け研修で新聞の読み方を教える日本経済新聞社の販売ユニットマーケット営業部・山野茂樹上席担当部長は「新聞を読むことは難しくない」と分かってもらうことが購読への第一歩だと述べました。記事の読み方が身に付くと新聞が仕事上のアイデアを生む一助になることなどが伝わると述べました。企業の人事・研修担当者には、幅広い知識の習得が業務に必要な専門性を豊かにすると説いているといいます。
中日新聞社は昨年、文章の書き方やコミュニケーションの向上策などを伝授するNIB講座「ビズトレ」を原則有料としました。有料化に当たり、企業の注文に応じた特別講座を設けることに注力したといいます。新聞・教育センターの鈴木宏征教育支援事務局長は「記者が取材先からとっておきのネタを引き出す際の秘訣を話してほしい」と企業から依頼されたと説明。自身の取材経験を基に、企業の営業系社員らに役立つ「聞き出す力」について講演したと振り返りました。
山陽新聞社の瀬尾由紀子販売局長付NIB担当部長兼読者局長付NIE担当部長は研修を実施する企業の開拓に当たり、記者時代の人脈を生かしたと話しました。現在は新規の申し込みに加え、再受講を希望する企業も増えているといいます。受講者の4割程度が研修後に個人で新聞の購読を決める場合もあると紹介しました。
教育ジャーナリストの矢萩邦彦氏は、社説に対する自分の意見を書く研修などを通じ、物事の前提や自分自身の考えを疑う習慣を身に付けることが重要だと説きました。
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(2021年9月28日)