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県民の歩みを報道で振り返る 沖縄復帰50年展開幕 3新聞社協力 ニュースパーク

 ニュースパーク(新聞博物館)は4月23日、企画展「沖縄復帰50年と1972」を始めました。沖縄県が今年5月で日本への復帰50年となることに合わせ、復帰当日と翌日の県内の様子を報じる地元紙の紙面や写真を中心に展示。沖縄戦や米軍による統治、復帰後の県の歩みを伝える紙面なども並べました。県民の思いや、米軍基地などを巡る社会課題への理解を深めてもらうきっかけにする狙い。沖縄タイムス社、琉球新報社、朝日新聞社の3社が協力しています。

 展示は「沖縄の日本復帰」「1972 そのとき日本は 世界は」「沖縄戦と米軍統治」「復帰以降の沖縄」の4部構成。展示資料は約100点。同館は戦争とメディアの関わり方を考えるきっかけにしてほしい狙いもあるとしています。

 「沖縄の日本復帰」では、沖縄タイムス社、琉球新報社、八重山毎日新聞社、宮古毎日新聞社の1972年5月15日付の紙面が見られます。沖縄タイムス社は15日付夕刊1面に載せた「"復帰元年" 不安の幕あけ」との見出しの記事で、復帰を祝う記念式典の模様を報じました。一方で、琉球政府が求めた基地の「即時無条件全面返還」が果たされないままの復帰となったことに対する県民の不安な思いを伝えました。展示では、沖縄返還の決定を伝える同年1月8日付の琉球新報社の号外の現物も展示します。

 「沖縄戦と米軍統治」では、地上戦を伝えた写真や映像に加え、米軍統治下でのニュースを伝える紙面を紹介。1955年3月11日付の琉球新報は「銃剣とブルドーザー」と呼ばれた米軍による強制的な土地接収が始まったことを報じました。

 2階企画展示室前のホワイエでは、復帰前日と当日の沖縄を写した朝日新聞社の写真25点も展示。写真は復帰当日の朝にドルと円の紙幣を交換し、1万円札をじっと眺める女性の姿などを捉えています。6月28日には展示を入れ替え、別の25点を並べます。

 会場を訪れた横浜市の高校教員・鈴木晶さん(61)は、「復帰を報じる紙面を見て、単なる過去の出来事ではないと感じた」と話しました。生徒にも現在にまで関わる問題だと伝えたいと述べました。

 展示は9月4日まで。

 企画展の概要はこちらでご覧いただけます。

(2022年4月23日)

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