「怪異」報道 不安感を反映 企画展巡り研究者講演 ニュースパーク
ニュースパーク(新聞博物館)は7月10日、明治期の新聞が報じた全国各地の幽霊や超常現象などの「怪異」について考える講演会を開きました。科学により怪異現象の解明を目指した哲学者・井上円了を紹介した長谷川琢哉東洋大井上円了哲学センター研究助手は、明治期の新聞報道では疫病の流行や戦争の発生時に、不思議な現象に関する描写が登場していたと指摘。「人々の不安感と怪異は密接に結び付いている」と話しました。
土屋礼子早大院教授は、明治初期に発行された多色刷りの浮世絵版画と新聞記事を組み合わせた出版物「錦絵新聞」について解説。1874年の台湾出兵で戦没した義弟が幽霊になって現れたと伝える錦絵などを紹介しました。
イベントは、開催中の企画展「近代日本のメディアにみる怪異」の一環。オンライン参加を含め計約40人が参加しました。
(2022年7月10日)