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NHKのインターネット業務拡大を危惧 総務省放送制度改革案に意見 メディア開発委員会

 新聞協会メディア開発委員会は7月19日、総務省の有識者検討会が6月に公表した放送制度の改革案に対する意見書を同省に提出しました。放送制度の原則である二元体制の考え方をインターネット上の言論空間に取り入れることは妥当ではないと主張。その上で「NHKのネット業務が際限なく拡大することを強く危惧する」と訴えました。

 改革案には、放送コンテンツのネット配信の在り方に関し「民放とNHKの二元体制を情報空間全体で維持していくことが重要」と記されました。メディア開発委はこれに対し、ネット上の言論空間では新聞社や通信社なども情報を発信していると指摘。二元体制の考え方に基づき「NHKが巨額な放送受信料を財源にネット業務をさらに拡大すれば、民間事業者の公正な競争をゆがめ、言論の多様性を失わせることになりかねない」と懸念を示しました。

 また「誰もが目を通すメディア(プラットフォーム)に放送コンテンツが提供されることが重要」とする改革案は「大手プラットフォームの果たす役割を過大に評価している」と戒めました。「放送コンテンツの提供は放送事業者の主体的判断に委ねられるべきであり、プラットフォームの役割のみを強調する制度設計は妥当ではない」と断じました。一方、NHKとプラットフォームとの結び付きの強化は「市場に悪影響が生じないよう慎重であるべき」としました。

 改革案にはNHKがテレビを持たない人にネットを通じて放送番組を配信する実証実験についての報告も記されました。メディア開発委はこれに関連し、NHKが番組の関連情報としてネット上で提供する「理解増進情報」について「定義が曖昧なため、拡大解釈してなし崩し的に業務を展開している」と指摘。定義の厳格化を求めました。NHKのネット業務は「放送の補完」であり、理解増進情報の配信を抑制するよう要望しました。

 意見書の全文はこちらでご覧いただけます。

(2022年7月19日)

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