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表現の自由に配慮を 偽情報対策巡り意見 総務省に新聞協会

 新聞協会は8月3日、インターネット上の偽情報や誹謗(ひぼう)中傷に対しプラットフォーム事業者らが講じる対策の透明化に向け、総務省が公表した取りまとめ案への意見書を同省に提出しました。制度設計に当たり、表現の自由に配慮した慎重な議論が必要だと指摘。「政府が言論や表現の内容の判断に立ち入る規制は避けるべきだ」と主張しました。規制対象の拡大も望ましくないとしました。

 同省は7月4日に公表した取りまとめ案で事業者による情報公開が不十分だとした上で「政府による一定の関与が必要」だと指摘。事業者らの情報公開と政府のモニタリングによる「共同規制」を導入する方針を示していました。また、プラットフォーム以外のサービスにも透明性の確保を求めることが望ましいとしていました。

 新聞協会は意見書で、ネット空間での正当な批判や批評と、誹謗中傷は区別する必要があると指摘。制度設計に際しては正当な批判を萎縮させることがないよう慎重な検討を求めました。偽情報に関しては、具体的な定義が示されていないため「取材を尽くしてもなお結果的に誤ってしまった情報が含まれる恐れもある」として、法規制の導入に反対しました。

 取りまとめ案は、改正電気通信事業法に盛り込まれた外部送信規律の施行に向け「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」などの改正を検討するとしました。新聞協会はこれに対し、中長期的なルール形成に向けて、利用者保護と市場競争に与える影響を踏まえた議論が必要だと訴えました。

 プラットフォーム事業者に対しては「責任を自覚し、健全な情報空間に向け真摯な対応を取ることが求められる」としました。

 意見書の全文はこちらでご覧いただけます。

(2022年8月3日)

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