電子版購読を接客に生かす ヤマダHD・清村執行役員が社員教育巡り講演 NIBセミナー
新聞協会は9月27日、NIB(ビジネスに新聞を)セミナーをオンラインで開きました。家電量販店大手・ヤマダホールディングスの清村浩一執行役員経営企画室長兼サステナビリティ推進室長が、社員教育の一環で日経電子版の購読を従業員に呼び掛ける取り組みについて講演。同社は日経電子版を包括契約しています。清村氏は従業員が記事を通じ「円安」や「物価高」などの情報の背景を理解しておくことで「説得力のある接客ができるようになる」と述べました。
清村氏は、電子版の購読を呼び掛ける取り組みについて、「組織として多様性の尊重を求められていることも背景にある」と説明。その上で、従業員一人一人が新聞で自分と異なる価値観に触れることは「従業員同士の相互理解を助ける」と話しました。
河北新報社、福井新聞社、山陰中央新報社を購読に結び付けることを意識したNIB講座を開いています。セミナーでは、3社の各担当者が事例を紹介しました。河北新報社は「計120か月分」の新規購読契約を交わした企業の事業を紙面で紹介するサービスに取り組んできました。120か月分の契約は「社員10人の1年分」の購読などを想定。21年からは紙面掲載に当たり、契約だけでなく「新聞読み方講座の受講」も求めています。「読み方を教えた方が、その後の購読につながりやすいと考えた」(加賀英紀・経営企画局人事部長)といいます。
福井新聞社は企業が1万円の受講料を支払うか、代わりに3か月分、法人として新聞を購読することによって講座を受けられるようにしています。薮内弘昌・みんなの新聞推進室次長によると、昨年受講した全11社のうち、新聞購読を選んだのは1社だったとし、購読につながりにくいことが課題だと挙げました。今後は新聞を読む意義や読み方について「受講者に主体的に考えてもらう講座を提供したい」と語りました。
38社73人が参加しました。
新聞各社の講座一覧はこちらでご覧いただけます。
(2022年9月27日)