さらなる改革をNHKに要望 経営計画修正案巡り メディア開発委員会
新聞協会メディア開発委員会は11月10日、NHKが10月に発表した受信料値下げの具体案を含む2021~23年度の経営計画の修正案に対する意見書をNHK経営委員会に提出しました。公共放送として必要な業務範囲を絞ることや、民間企業と競合する子会社のガバナンス(組織統治)強化を求めました。インターネット活用業務を巡り、番組の関連情報を提供する「理解増進情報」は業務拡大の一因となっているとした上で「定義を厳格化し、抑制する方向で見直すべきだ」と指摘しました。
NHKは10月、地上・衛星契約の受信料をそれぞれ約1割引き下げると発表しました。前田晃伸会長は値下げについて、業務内容のスリム化や経費削減、ガバナンス強化の「三位一体改革」の総仕上げだと主張していました。メディア開発委はこれに対し、「改革が終わったとは到底言えない」と強調。「抜本的な経営合理化策」を講じるよう要望しました。子会社に「膨大な内部留保」があると指摘した上で、こうした原資を引き続き視聴者に還元するよう求めました。
番組制作費について「収支を勘案する民間企業では取り組みにくい」ジャンルとして「報道・防災・教育・福祉・伝統芸能」などに集中すべきだとしました。
ネット活用業務に関しては抑制的な運用を求めました。経営計画で掲げている業務の費用を管理する仕組みについて、具体化の進捗状況や費用の内訳を開示すべきだとしました。
子会社や関連団体については、「民間に担えない業務」に取り組むことが求められていると説明。その上で、業務の効率化が重要だとしました。「子会社や関連団体の業務実態を開示し、第三者のチェックを受け、グループ企業としてふさわしくない業務は廃止する」ことを求めました。
正当な理由なく受信料を支払わない人に受信料の2倍相当の割増金を請求できる規定を盛り込んだ放送受信規約の変更案に対しても意見を表明。割増金制度は抑制的に運用すべきだとしました。
意見の全文はこちらでご覧いただけます。
(2022年11月10日)