新聞が社会への関心喚起 主権者教育巡り九州大の南野森教授 NIEフォーラム
新聞協会は2月23日、新聞や本などの活字媒体が主権者教育で果たす役割を考える第6回NIE教育フォーラムをオンラインで開きました。九州大の南野森教授(憲法学)は「憲法で公権力を縛り、自由で平等な社会を作るには、権力を監視する主権者の育成が必要だ」と指摘。市民が社会に関心を持つ上で、政治や経済などの多様な情報が得られる新聞は有効な媒体だと述べました。
南野氏は教員らに向け、ディベートなどを通じ、生徒が自分と異なる意見への理解を深められる授業を実践してほしいと提案。ディベートのテーマも、地域の高齢化や鉄道の減便など、生徒が身近に感じやすい話題を扱うべきだと話しました。
新聞協会の関口修司NIEコーディネーターは、経済協力開発機構が2018年に公表した学習到達度調査(PISA)で、日本の生徒は小説や物語に比べてノンフィクションを読んでいないとの結果が示されたと紹介。「新聞などを通じ、事実をひも解くことの面白さを知ってもらう必要がある」と話しました。
女優・作家・歌手の中江有里氏も登壇しました。新聞、教育関係者160人が参加しました。
フォーラムの概要はこちらでご覧いただけます。
(2023年2月23日)