自民党会合でも拡大に懸念表明 「多くの地方紙危機感」 NHKのネット業務巡りメディア開発委員会
新聞協会メディア開発委員会は7月12日、自民党情報通信戦略調査会(野田聖子会長)に出席し、NHKのインターネット業務を必須業務(本来業務)化することに反対する意見を述べました。NHKがネット業務を際限なく拡大すれば、言論の多様性やメディアの多元性が損なわれかねないと訴えました。多くの地方紙がNHKのネット業務拡大に危機感を持っているとも伝えました。
情報空間で新聞・通信社が果たす役割と新聞界を取り巻く環境の厳しさを紹介した上で、NHKのネット業務拡大への懸念について訴えました。NHKのネット業務の予算上限に当たる200億円に関し、個別の新聞社のデジタル収入を大きく上回ると指摘。多くの地方紙のデジタル関連予算が1億円に満たないことにも言及しました。
本来業務化ありきではなく、NHKの在り方から問い直す必要があると指摘しました。ネット空間ではNHKだけでなく新聞・通信社、民放事業者がそれぞれの役割を果たすことで健全な民主主義の維持に貢献してきたと説明。NHKの在り方に関する拙速な議論はこうしたシステムを毀損(きそん)しかねないとしました。
調査会の聴取に応じました。
(2023年7月12日)