第43回新聞広告賞 大賞は近畿大学 AIで架空の学生画像生成
新聞協会は9月6日、第43回新聞広告賞の受賞作を発表しました。新聞広告大賞は学校法人近畿大学の「上品な大学、ランク外。」に贈ります。近畿大は「上品な大学ランキング」で選外となったことをメーンコピーに配した新聞広告を掲載。コピーの背景に、人工知能(AI)が作り出した「いそうでいない近大生」の画像を載せました。新聞協会は「最先端の技術を駆使してブランドメッセージを効果的に発信し、新聞広告の新たな可能性を切り開いた広告活動」として評価しました。
広告は全15段。1月3日付の朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞、サンケイスポーツ、報知新聞、日刊スポーツ、スポーツニッポン、デイリースポーツの各紙の大阪版に掲載されました。夕刊フジの大阪版にも同4日付で全11段の広告が載りました。
受賞作は近畿大について、「学びたい者に学ばせたい」思いで創設した「大衆大学」であると本文で説明。ランキングで選外となったことを「めっちゃうれしいやん!」と記しました。その上で、同大が「コミュニケーション能力の高さ」「チャレンジ精神」などでランキングの1位となったことを紹介。企業が求める人材に一致していると訴えました。
架空の学生の画像は、実在する近畿大生の顔写真200枚をAIに学習させて生成しました。近畿大はそのうち6枚を選び、各紙1枚ずつ掲載。各紙で計6種の異なるビジュアルを展開しました。画像の生成は情報学部の1年生が担当。広告内でこのことにも触れ、近畿大生の技術力の高さもアピールしました。
広告内の二次元コードを読み込むと、ウェブサイト上で画像制作の裏側を見られるようにしました。SNSでは6人の中から近畿大に実在しそうな人物を投票で募る企画を実施しました。
大賞1件のほか、本賞は広告主部門で5件、新聞社企画・マーケティング部門で5件、計10件を選びました。10月20日に東京都千代田区の帝国ホテルで開く「新聞広告の日」記念式典で贈賞します。
応募は広告主部門が229件、新聞社企画・マーケティング部門は56件でした。大賞、本賞のほか、広告主部門は10件の優秀賞、新聞社企画・マーケティング部門は5件の奨励賞を選びました。
第43回新聞広告賞の受賞作品はこちらでご覧いただけます。
(2023年9月6日)