記事無断学習に懸念/AI開発者向け指針案にも意見 生成AI巡り内閣府に新聞協会
記事無断学習に懸念
新聞協会は11月2日、生成人工知能(AI)と知的財産権の関係を巡る課題について議論する内閣府の検討会に対し「著作権法の改正を早急に検討すべきだ」と訴える意見書を出しました。技術開発の過程で著作物を原則無許可で収集・利用することを認める著作権法30条の4に関し、当面はただし書きにある著作権者の利益を「不当に害する行為」の範囲と、本文の「非享受目的」の解釈について明確にすべきだと主張しました。
意見書は報道コンテンツについて、報道機関の知的財産であり「報道各社が著作権などの法的権利を有する」ことを強調。著作権者の権利保護に関する議論が不十分なまま、生成AIにより「なし崩し的に報道コンテンツの無断使用が進むこと」に懸念を示しました。
また、「民主主義の発展という観点からも、報道機関の知的財産を保護する施策が求められる」と訴えました。生成AIによるデータの無断使用で報道機関の収益機会が損なわれ、良質なニュースコンテンツを提供し続けることが困難になれば、国民の「知る権利」が阻害されると警鐘を鳴らしました。
生成AIが偽情報などの被害をもたらす恐れがあることや、信頼できる情報に接する重要性について発信するよう政府に提言。著作権を中心とした知的財産の保護に関し、政府が周知に努めるべきだとも主張しました。生成AIを通じた記事へのタダ乗り(フリーライド)や、記事データ販売市場との衝突は報道各社の経営の弱体化につながると説明。著作権者に配慮した対応を求めました。
新聞協会は7日に開かれた検討会に出席し「技術の進化に見合った適切なルール整備が急務」と意見を表明しました。
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AI開発者向け指針案にも意見
新聞協会は11月2日、生成人工知能(AI)を巡る規制や活用に向けた国際的なルール作りの枠組み「広島AIプロセス」でまとめられたAI開発事業者向け指導原則案(全11項目)に対する意見書を内閣府に提出しました。知的財産の保護と学習データの透明性を求める項目に賛同しました。その上で「各国の法体系においてもこの原則をルール化すべきだ」との内容を書き加えるよう求めました。
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(2023年11月6日)