報道の過程解説に注力 学校関係者向けにリテラシー教育語る ニュースパークで読売新聞東京本社の新庄秀規氏
報道機関が取り組むリテラシー教育について学校関係者向けに説明するイベントが12月10日、ニュースパーク(新聞博物館)で開かれました。読売新聞東京本社の新庄秀規教育ネットワーク事務局NIE部長は、ニュース発信の過程を解説する高校生向けの出前授業について話しました。デスクら複数の目で記事を確認していると紹介することで、新聞の情報の信頼性について生徒に考えてもらう契機になるとしました。
授業は2022年11月に始まりました。今年度、新聞7社が連携。埼玉県と東京都の高校で実施しています。事実関係の確認を徹底するよう記者に求めるデスクの役割などを生徒に伝えています。
新庄氏は、リテラシー教育に関する各社の知見を高めるため、7社が他社の授業を見学できるようにしていると述べました。自社の授業のヒントなどを得てもらう上で連携は有効だと語りました。
スマートニュースメディア研究所の長澤江美研究員は、架空のSNSで情報の扱い方を学ぶワークショップを実施。参加者はSNSに表示された五つの投稿について、その情報の真偽を見分けながら拡散の可否を決めました。SNSには、新型コロナウイルスの感染対策として公的機関が実際に投稿した「深く息を吸い10秒我慢する」などの誤情報も表示。長澤氏は「情報を拡散する前に、一度立ち止まり考えること」を身に付ける重要性について強調しました。
NHKメディア総局展開センターの大橋拓氏も登壇。情報を読み解く重要性について考えてもらう小学5、6年生向けの講座「メディア・リテラシー教室」を紹介しました。
イベントは、報道各社の有志などによる「ニュースリテラシー研究会」が主催しました。オンラインを含め113人が参加しました。
(2023年12月10日)