<いっしょに読もう!新聞コンクール> 小中高最優秀賞など発表
新聞協会は12月11日、第14回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の入賞作を発表しました。小中高3部門の最優秀賞各1編のほか、優秀賞30編、奨励賞120編を選びました。優秀学校賞は15校、学校奨励賞は177校に贈ります。応募総数は5万9248編でした。
小学生部門の最優秀賞は安田学園安田小(広島県)5年の高田彩楽さんが受賞。高田さんは「子供の声が騒がしい」との苦情を受け、公園が廃止されたことを伝える朝日新聞の記事を選びました。
公園で遊ぶ自分の声も「騒音になっているかもしれない」との不安をつづりました。「騒音の基準は人によって異なる」と話す母親の意見を基に、地域住民にどのような子供が遊んでいるか、日々の交流を通じ知ってもらうことで、騒音と感じられた声も「好意的に受け止めてもらえるのではないか」と考えました。異なる立場の人と相互理解を図る大切さへの考えを深めた点が評価されました。
中学生部門の最優秀賞は恵泉女学園中(東京都)3年の大作知穂さん。東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出を巡り、風評被害を不安視する漁師に取材した朝日新聞の記事に注目しました。
大作さんは記事を読み、「海の恵みを受ける一人の人間として他人事とは思えない」と考えました。父親は、消費者の不安なども理解できるとし「さまざまな立場の人との対話が大切だ」と話しました。大作さんはこれを聞き、自分が漁師の視点だけで問題を捉えていたことに気付きました。根拠のないうわさを広めないことなど、消費者にできることを提言した点が評価されました。
高校生部門の最優秀賞は埼玉県立川越女子高1年の石川真帆さんに贈ります。石川さんは、くも膜下出血で倒れた妹の臓器提供を決断した女性について取り上げた朝日新聞の記事に目を留めました。
記事を読んだ母親は、日常的に接していた人と急に会えなくなる場合もあるからこそ「当たり前を大事にしなければならない」と説きました。石川さんは、自分や周囲の人が元気でいるからこそ臓器提供の可否を考えられるとの思いに至り、「今一度そのありがたみと幸せをかみしめたい」と記しました。母親との対話を契機に、身近な人と過ごす時間の大切さまで思考を掘り下げた点が評価されました。
入賞作・入賞校一覧はこちらでご覧いただけます。
(2023年12月11日)