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教員の指導力向上 91% 子の読む・書く力伸長9割 NIE委員会 教育効果調査

 新聞協会NIE委員会が7月11日に公表したNIEの教育効果に関する調査結果によると、回答した581校のうちNIEの実践により教員の指導力が「大幅に伸びた」「伸びた」「少し伸びた」と答えた学校の合計は全体の91%でした。児童・生徒の「読む力」「書く力」「聞く力・話す力」「理解力・考えを深める力」「主体性」についても「大幅に」と「少し」を含めて「伸びた」と答えた学校の合計はそれぞれ約9割に上りました。また、NIEを日常的に実践する学校は実践頻度が「月1~2回程度」以下の学校と比べ、教員の指導力、児童・生徒の学びに関する力が「大幅に伸びた」「伸びた」とする回答の割合の合計が高くなりました。

 調査は1~2月、NIEの教育効果の検証を目的に実施。昨年度のNIE実践指定校や、NIEアドバイザーが在籍する学校などの教員から回答を得ました。

 実践頻度と教員の指導力の相関も調べた。NIEを日常的に実践(週1回以上)している196校のうち教員の指導力について「大幅に伸びた」「伸びた」と答えた学校は合わせて62%。1年に数回実施する学校(123校)でみると、26%だった。回答者からは「社会情勢と教科の学習を結び付けた指導を意識するようになった」「(自身の)現代社会への知識が深まり、視野や知見が広がった」などの声が寄せられました。

 子供の「読む力」について「大幅に伸びた」「伸びた」と答えた人の合計は、日常的に実践する学校でみると、66%を占めています。年間に数回実施する学校では33%。「書く力」を巡っては「大幅に伸びた」「伸びた」との回答の合計が、日常的な実践校で61%。年に数回の場合は30%でした。回答者からは「読む力」について「必要な情報を取り出す力、要点を押さえる力がついた」、「書く力」については「テストで文章を最後まで書ききる児童・生徒が増えた」などの感想がありました。

 「聞く力・話す力」「理解力・考えを深める力」「主体性」を尋ねても、同様の傾向がみられました。「大幅に伸びた」「伸びた」との回答の割合の合計は、日常的に実践する学校と年に数回の学校の間でそれぞれ20ポイント以上差がつきました。

 新聞協会の関口修司NIEコーディネーターは、教員採用試験の倍率が低下し、教員の資質向上が課題となりつつあると説明。「NIE実践が教員の指導力向上にもつながることが明らかになったことの意味は大きい」とコメントしました。

 ※調査結果はこちらからご覧いただけます。

(2024年7月11日)

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