感染症巡る発信 識者が課題討議 ニュースパーク シンポジウム
ニュースパーク(新聞博物館)は7月20日、新型コロナウイルスの感染対策に関わった専門家らが国民に情報を発信する際の工夫や課題を討議するシンポジウムを開きました。政府の新型コロナ感染症対策分科会の会長を務めた尾身茂氏は、東京五輪(2021年)の開催を巡る自身のメッセージの真意が十分に伝わらなかったと振り返りました。新たな感染症に備えてリスクに関する情報を共有する「リスクコミュニケーション」を考える重要性を指摘しました。
報道の役割や課題についても意見が出ました。尾身氏は感染状況などに関する新聞やテレビの報道が、感染防止に向けた市民の協力を促す上で有効だったと述べました。東大医科学研究所の武藤香織教授は、新たな感染症が発生すると感染者の症状や行動歴などへの関心が高まると説明。「感染症に対する関心に応えつつ、感染者の人権を守ること」をメディアに求めました。
進行は朝日・科学みらい部の辻外記子大阪担当部長が務めました。開催中の企画展「新型コロナと情報とわたしたちⅡ―コロナがわたしたちに残したもの」の関連イベントとして実施。オンラインを含め59人が参加しました。
(2024年7月20日)