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<NIE全国大会>確かな情報の価値 発信重要 デジタル・多様性の学び巡り議論

 第29回NIE全国大会は8月1、2の両日、京都市のロームシアター京都と京都経済センターで開かれました。大会スローガンは「探究と対話を深めるNIE デジタル・多様性社会の学びに生かす」。初日のパネル討議では、デジタル時代に確かな情報を見極める力を育む上でNIEが果たす役割などを議論しました。マスメディアのニュースが事実確認を経た上で発信されていることを、児童や生徒に理解してもらう必要があるとの意見が上がりました。

 新聞協会の中村史郎会長(朝日)は開会あいさつで、SNSなどデジタル空間では情報の取得が容易となる一方、偽・誤情報をうのみにする危険性があると説明。正しく役立つ情報を見分けるための情報リテラシーを高める上で、新聞の活用は有効だと話しました。また、「子供の身近に新聞がある環境を整えることが重要だ」と強調しました。

 京都の大西祐資代表取締役社長は、SNSなどで自分好みの情報以外が届かなくなる「フィルターバブル」の環境下に子供たちが置かれていると指摘。大会を通じ、自分と異なる考え方に触れ、正しい情報を選ぶ力を子供たちに身に付けてもらう方策を探りたいと述べました。

 橋本祥夫大会実行委員長(京都文教大教授、新聞協会NIEアドバイザー)は、新聞記事を基に意見を交わすことで、子供たちは多様な考え方や価値観に気付けると説明。大会について「正しい情報を選ぶ力を子供たちが見つけ出すきっかけにしてほしい」と呼び掛けました。

 また、基調講演として歴史家の磯田道史国際日本文化研究センター教授が「刷り物の字が教えた日本」をテーマに話しました。

 大会は新聞協会主催、京都府と京都市の教育委員会の共催で開かれました。京都新聞社と京都府NIE推進協議会が主管しました。教員や新聞関係者ら約1200人が会場で参加しました。

 二日目は分科会が開かれました。また、教員や研究者、市民グループらがNIEの実践例などを報告し、参加者と交流するポスターセッションが実施されました。計54のグループがブースを出展。茨城、河北、琉球もブースを設けました。

 ニュースパーク(新聞博物館)が昨年実施した多様性とメディアに関する企画展の巡回展も開かれました。

 一部プログラムは今後、大会専用サイトでオンデマンド配信します。

(2024年8月2日)

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