<新聞大会>信頼される情報届ける 秋田市で決議採択
新聞協会は10月16日、第77回新聞大会を秋田市のあきた芸術劇場ミルハスで開きました。新聞協会賞が6件7人、新聞技術賞が1件2人、新聞経営賞が1件1人に贈られました。生成AI(人工知能)の無責任な情報の流布が社会の混乱を招く恐れや、ウクライナ、中東で戦闘が続いていることに触れた上で「平和で豊かな未来に向け、正確で信頼される情報を届ける責務を改めて自覚し、全うすることを誓う」との決議を採択しました。研究座談会は「新聞は生き残れるか」「デジタル時代のジャーナリズム」をテーマに議論しました。
開催地の地元社・秋田魁新報社の佐川博之代表取締役社長はあいさつで、地域の人口減と少子化に言及。地元紙が存在しない「ニュース砂漠」を作ってはならないと強調しました。大会を通じ「気概を持つ新聞社が日本中にあることを多くの人に示したい」と話しました。
新聞協会の中村史郎会長はあいさつで、「確かなニュースは取材・発信に必要な時間と労力をかけ、民主主義における国民の生活を支えている」と述べました。そのことについて人々に広く理解してもらう取り組みを、業界を挙げて強化する時期だと訴えました。
記念講演では、小説家の島田雅彦、平野啓一郎の両氏が「新聞の今とこれから」をテーマに話しました。平野氏は権力を監視する役割の維持を巡り部数減に言及。その上で「経営を安定させることが重要ではないか」と語りました。
新聞協会会員社幹部ら373人が参加しました。秋田での新聞大会開催は1974年以来2回目。
新聞大会決議はこちらでご覧いただけます。
中村会長のあいさつ全文はこちらでご覧いただけます
(2024年10月16日)