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ネット業務全体の計画を 中期計画修正案巡りNHKに意見書 メディア開発委員会

 新聞協会メディア開発委員会は11月7日、改正放送法を受けてNHKが示した2024~26年度の中期経営計画の修正案に対し、インターネット業務の全体像や具体像を明確にするよう求める意見書をNHK経営委員会に提出しました。地上波テレビ・ラジオ・国際放送の見逃し配信と番組関連情報を指す「必要的配信」と、それ以外の「任意的配信」でNHKが別々に規定していることから「ルールが複雑化している」と指摘。外部から検証できるようネット業務の全体像を示す計画を策定すべきと訴えました。

 NHKは修正案の公表に際し、必要的配信のうち番組関連情報の内容や実施方法を定めた「業務規程」を公表。任意的配信に関しては「ネット活用業務実施基準」の変更案を示しています。メディア開発委は業務規程で基本原則として明記された「ネットの視聴習慣・特性に応じて届け方を工夫する」との方針について「解釈によっては放送との同一性を逸脱しかねない」と主張。サービスの具体像を早期に示すよう求めました。実施基準の変更案で示された任意的配信と、放送番組を含む「周知広報」などの付帯業務についても「必要的配信の範囲を超えて展開されることのないよう明確に規定すべき」だとしました。

 NHKによると番組関連情報を配信する専用アプリやウェブサイトで、受信料を支払っていない人によるコンテンツの視聴を防ぐ措置として利用の意思を確認する画面が表示されるとしています。しかし、それでは視聴に受信契約が必須とは言えないため、事実上無料で継続的にコンテンツを視聴できかねないとの懸念を示しました。「ネットのみでの支払いや受信契約を求めるという法改正の趣旨に反する」とし、コンテンツのただ乗りを防ぐ仕組みにすべきだとしています。

 修正案が提示した収支計画は、収支差金の額を変更しませんでした。これに対しメディア開発委は、23年度決算の赤字が予算段階から半分以下に圧縮されていたことを踏まえ、「実態に即した見通しを示し、予算の妥当性を検証可能にすべき」としました。これまで、予算の編成段階では赤字を見込みながら結果として黒字を積み重ね、繰越金に蓄積するとの構造的な問題があったと指摘しました。

 情報空間全体の多元性確保のために確保していた積立金700億円の使途についても、可能な限り早期に具体化するよう求めました。「メディアの多元性」を損なうことがない業務展開を求めるとしました。

 ※意見の全文はこちらでご覧いただけます。

(2024年11月7日)

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