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2008年 2月26日
明石海峡大橋10年の変化探る
徳島「検証 夢の橋」
明石海峡大橋が一九九八年四月に開通して今年で十年。徳島県と本州を陸路で結んだ夢の架け橋は、地域に何をもたらしたのか。一月八日から一面で始まった連載は、第二部まで進んでいる。社会面の「架橋10年 ひと模様」(一月、七回)、高速バスが快走する徳島バスを追った徳島経済面の「社運をかけて」(同、八回)などが連動し、企画全体の幅を広げている。
十年間を検証する連載の第一部は「産業おこし」(同、八回)。橋の効果と乗り越えるべき課題を指摘している。トラックを改造し、県産青果物を売り込む移動ブランドショップ「新鮮なっ!とくしま号」は、シェア向上のため橋を渡って全国で大活躍だが、肝心の地元生産力が高齢化などで落ちつつある。種類、量とも自慢の魚介類は、夕方水揚げで翌朝に大阪市場に届くようになったものの、橋の恩恵は高知なども同じで競争が激化している。行動範囲が広がった運輸業界には、高い通行料金がネック。ホームセンターなどは大手の県外企業に攻め込まれてもいる。企業誘致も架橋効果を生かし切れていない。
第二部「にぎわいづくり」(二月、七回)は、人の流れの変化を追った。高速バスが好調な反面、航路や鉄道は大苦戦。観光地では鳴門の堅調が際立ち、県西部の大歩危(おおぼけ)・祖谷(いや)地区のように観光客素通りの危機感を持ったPR作戦が功を奏したところもある。橋による近さを生かした進学、就職作戦も活発になっている。
第三部は来月、社会、文化、スポーツ各方面の変化を取り上げる。第四部まで続く予定。高島卓也、梅田正人、萬木竜一郎、湊健治、平田潤の五人の記者とともに、二部までを担当した門田誠政治部副部長は「県にとって最大のプロジェクトの効果を十分に引き出すため、あらためて検証してみた」と語る。(審査室)