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2008年 3月11日
教育が抱える現状を総点検
佐賀「さが子ども白書」
ゆとり教育から学力重視へ。国の教育方針がまた大きく変わろうとしている。そんな中で子どもたち、学校、家庭、地域は今どうなっているのか。様変わりしつつある県内の教育現場を見つめ直そうという年次企画だ。
プロローグは元日から一面で六回。教師や親の目が届かない「ケータイ天国」、負担が強まるばかりの「教頭の長い一日」、塾通いで過熱する「中学受験」、不登校生を受け入れる「もう一つの教室」、家の大掃除でも子どもを児童クラブに預ける「変わる親の姿」、登下校の安全を模索する「自衛する学校」と、教育の今を象徴する風景を拾った。
二月には第一章「教室の現実」を一回六十行ほどのコラムで十九回、社会面(一回目は一面)で掲載。授業中も仲間と大声で話し、笑いながら校内を歩き回り、時には学校を抜け出して路上でたばこを吸う女子中学生。教室に入れようとしても寝ころんでしまう男子中学生、低学年としか遊べない小六少女。教師は生徒が年々幼くなっているような気がする。
友達になりすましてネット上に悪口を書き込む、仲間外れにされたくないからと一日に五十通も百通も携帯メール交換を続ける、仲良しにささいなことで罵詈(ばり)雑言の手紙を書く。忘れ物など気にならない、厚い本は「読めない」、会話は単語を並べるだけ、話し合いの仕方がわからない。どれも日常的な子どもたちの姿だ。
近く始める第二章は不登校がテーマ。その後も様々な側面から現場ウオッチングを続ける。「学校や教室の実態、親や地域との関係が今どんな状況にあるのか、総ざらえしてみたい。その上で、どんな解決策があるのかも探っていきたい」と宮崎俊一・副編集局長。二〇〇二年の長期連載「教育はいま 岐路・迷路」以来の取り組みだ。担当は社会、政経両グループの谷口伸二、井上武、栗林賢、川崎久美子記者。 (審査室)