2008年 7月22日
次代の人材育てる場を直視

日本海「学びのかたち―教育再生への道」

教育の格差問題が広がる中、鳥取県の教育はどこに進もうとしているのか。一面で探っている。二十八日から第四部(各部五回ずつ)がスタート。

第一部「学力向上への挑戦」(一月)は、県内の取り組みを検証。東大・京大などの難関を高校が狙わせたいと思っても、〝安全パイ〟に向かいがちな生徒。現役合格優先で、大学ランクを下げる生徒も増えた。教育環境が似る福井県には東大合格者で差をつけられた。小・中・高校連携で県学力向上委員会が始動したが、具体策はまだ見えない。

第二部「大学へ行くということ」(三月)は、進学の意味を考えた。入試前、進学後、めざす目標はさまざま。送り出す高校側では、「どうすれば生きる意味、学びの楽しさを伝えられるか」と教師が自問する。倉吉東高では、「大学に行くということ」は「国公立に合格すること」にも通じる。進路調査用紙に私立大の欄はない。センター試験一直線の三年間だ。

第三部「中高一貫教育の光と影」(五月)では、検討中の県立校設置への賛否と、現在二校ある私立の努力を紹介。米子北斗(米子市)では中高一貫の「なかだるみ」を防ぐため、中三の冬に一日十二時間の勉強合宿。湯梨浜(湯梨浜町)は、英語と数学を公立の二倍の時間にして学力アップを図っている。県が一貫校の公立モデルにする岡山操山高(岡山市)では、六年間に生じる生徒の学力差が課題だという。

第四部「夢をあきらめない」では経済的問題や不登校などを取り上げ、年内、第六部までの予定。植田紀子、西田ちぐみ(本社報道課)、石原美樹(中部本社同)、鎌谷朋子(境港支社同)の四記者が担当。統括する長曽本明・中部本社編集部長は「次代の人材を育てるためには、教育格差が深刻な学びの現場を見直す必要がある」と語る。(審査室)

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