1. トップページ
  2. 刊行物
  3. 新聞協会報・スポットライト
  4. 生き方、死に方、それぞれに

2008年 11月18日
生き方、死に方、それぞれに

十勝毎日「生きる」

今の時代、人はいかに生き、いかに死んでいくのか。人生の各段階の姿を、様々なケースを追いながら見つめ直そうという年間キャンペーン。

第一部は「死と向き合う」(一月、十回)。多くの患者をみとった元看護師の六十歳の女性は、「最期まで自分らしく生きたい」と日本尊厳死協会に登録した。みとり介護の施設では、八十九歳の男性が焼酎を一口「うまいな」と飲んで亡くなった。安らかな最期を送れるようにと、ホスピスや在宅ケア、緩和医療などの試みが広がっている。家族葬が増え、散骨など葬送の形も多様化している。

第二部は「生み、育てる」(四月、七回)。医師不足の環境の中で、不安と希望の間を揺れ動きながら出産を待つ妊婦。流産や中絶の苦しみ、子どもが生まれない夫婦の複雑な気持ち。里親として多数の里子を育てた女性は「面倒なことも、かわいらしさも同じ」と実子と変わらぬ愛情を注ぐ。

第三部「自分探し」(六―七月、十回)は若者の生き方。アフリカでボランティアを続ける女性、性同一性障害に苦しむ女性、転職を繰り返した末に就農を選んだ男性、ともに北海道に移住して結婚に踏み切ったカップルなど、進路に迷いながら生きる群像を追った。

第四部「熟年の苦楽」(十月、六回)では、夫の暴力や自殺に苦しんだ妻、過労や失職の悲劇、脱サラ男性などを取材した。アフリカで日本語講師を勤める四十九歳の女性は絵本を出版、「これから十年が人生最後の大挑戦」と元気だ。最終第五部は「老いる」を予定。

取材班キャップの吉良敦記者は「どんな状況であっても、生きることにいい加減な人はいないということを強く感じた」と言う。池谷智仁、北雅貴、原山千寿子、安福晋一郎、高田敦史、長田純一、山下聡実記者が共に担当。一面最上段通しの横長レイアウトは平田幸嗣整理部員。(審査室)

ページの先頭へ